真の狙いは「世界支配」...トランプを「神に選ばれし者」と信じるキリスト教右派の集会を覗いてみたら【潜入ルポ】

Trump as God’s Chosen One

2024年10月22日(火)18時11分
モリー・オルムステッド(スレート誌記者)

しかし、彼ら自称預言者は、執拗に政治的主張を展開した。悪魔が法律や公立学校、罪深い映画などを通じてキリスト教徒を傷つけようとしていると警告し、聖霊を呼び出して悪魔を追い払う方法を信者に教えた。そして、世俗の世界を征服して悪の勢力から取り戻そうと訴えた。

NARは長年の間、キリスト教福音派の非主流派にすぎなかった。悪魔の憑依のように扇動的な話や、教会と国家の分離を完全になくすという強硬な主張を、快く思う人はほとんどいなかった。しかし、トランプの大統領選で全てが変わった。


トランプが2016年の大統領選に出馬した当初、福音派の主流派のほとんどは、3回の結婚歴があり女癖の悪い億万長者に警戒心を抱いていた。

しかし、彼のテレビ伝道者のような堂々とした態度にNARの指導者たちは感銘を受け、すぐに称賛し始めた。特にウォルナウは早くからトランプを支持しており、傾倒する説明として神学的に都合のいい理屈を並べた。

トランプは大統領に就任すると、ウォルナウを含むNARの著名なメンバーをホワイトハウスに招待した。

トランプは教義的な問題はほとんど知らなかったが、忠誠心を見抜く才能があった。彼がNARを公に後押ししたことがNARの指導者を後押しし、彼らはトランプを神に祝福された人物だと宣伝した。

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