最新記事
中東

シンワール殺害で終結は間近か? ガザ戦争の行方とネタニヤフの選択

A Chance for Peace?

2024年10月23日(水)11時30分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

newsweekjp_20241022035503.jpg

イスラエル軍の爆撃で倒壊したガザの小学校(今年10月10日) MAJDI FATHIーNURPHOTOーREUTERS

シンワールはハマスを体現する存在だった。その殺害をもって、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相らは、自分たちの戦略が正しかった証拠だと声高に主張するのか。あるいはアメリカなどの圧力を受けて、今後は停戦プロセスに注力するのか。

ハマスは消えていない

著名ジャーナリストのボブ・ウッドワードは新著『戦争』で、ホワイトハウスのブレット・マガーク中東政策調整官の言葉を紹介している。いわく、ここ数カ月に何度となく開かれた停戦に向けた協議で、エジプトやカタールに住むハマスの政治部門の報道官は何度か、停戦合意を大筋受け入れたが、最終決定権を持つシンワールが頑として首を縦に振らなかったという。


それが本当なら、シンワールなき今、これまでハマスの対外窓口だった幹部らが、指導者の役割を担うかもしれない。そうなれば、エジプトなどイスラム教スンニ派のアラブ諸国、とりわけサウジアラビアの指導者たちも、ガザの復興と、ガザの境界線の治安確保を申し入れる可能性がある。そして、こうした要素が全て交渉のテーブルにのれば、ネタニヤフも和平交渉に参加するかもしれない。

税制
日本のモデルは「合理的」。安定財源として期待される「たばこ税」はどうあるべきか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

JAM、25年春闘で過去最大のベア要求へ 月額1万

ワールド

ウクライナ終戦へ領土割譲やNATO加盟断念、トラン

ビジネス

日経平均は小幅に3日続伸、小売関連が堅調 円安も支

ビジネス

午後3時のドルは150円前半へ反発、韓国ウォン急落
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
2024年12月10日号(12/ 3発売)

地域から地球を救う11のチャレンジと、JO1のメンバーが語る「環境のためできること」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや筋トレなどハードトレーニングをする人が「陥るワナ」とは
  • 2
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説など次々と明るみにされた元代表の疑惑
  • 3
    【クイズ】核戦争が起きたときに世界で1番「飢えない国」はどこ?
  • 4
    JO1が表紙を飾る『ニューズウィーク日本版12月10日号…
  • 5
    混乱続く兵庫県知事選、結局SNSが「真実」を映したの…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「IQ(知能指数)が高い国」はど…
  • 7
    NATO、ウクライナに「10万人の平和維持部隊」派遣計…
  • 8
    健康を保つための「食べ物」や「食べ方」はあります…
  • 9
    韓国ユン大統領、突然の戒厳令発表 国会が解除要求…
  • 10
    シリア反政府勢力がロシア製の貴重なパーンツィリ防…
  • 1
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 2
    エリザベス女王はメーガン妃を本当はどう思っていたのか?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 5
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 6
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや…
  • 7
    メーガン妃の支持率がさらに低下...「イギリス王室で…
  • 8
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖…
  • 9
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 10
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中