イスラエルの大々的な戦線拡大のツケを払うのはウクライナ
US Faces Israel-Ukraine Dilemma
レバノンにも本格攻撃を始めたイスラエル(10月10日、ベイルート) Fadel Itani via Reuters Connect
<エスカレートするイスラエルの戦争支援が膨らんで、ウクライナ支援は減らされる?>
米国防総省は、イスラエルに供与したTHAAD(高高度防衛ミサイル)をウクライナには供与する考えはないと表明した。アメリカは今、激しさを増す2つの戦争に対する武器支援をどう按配すべきか、という問題に頭を悩ませている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2022年2月にウクライナへの本格侵攻を開始して以降、アメリカはウクライナへの軍事支援の最大の提供国であり続けているが、昨年10月に始まったイスラエルの戦争も拡大する一方で、コストが増大している。
イスラエルでは迎撃ミサイルが不足しているとされており、米国防総省は10月13日、米軍のTHAADを配備すると発表した。10月1日にイランがイスラエルに向けて180発以上の弾道ミサイルを発射したため、弾道ミサイルに対して手薄なイスラエルの防空能力を強化するのが目的だ。
米国防総省のサブリナ・シン報道官は15日、ウクライナにはTHAADを供与しない理由いついて「能力、戦争および地域の違い」だと説明した。