イスラエルの大々的な戦線拡大のツケを払うのはウクライナ
US Faces Israel-Ukraine Dilemma
イランおよびその代理勢力との多正面戦争に入ったイスラエルを支援するために、アメリカはウクライナに対する軍事支援を減らすのではないかという懸念も浮上している。
英フィナンシャル・タイムズ紙によれば、昨年12月まで米国防総省の中東担当副次官補だったデーナ・ストロウルは、アメリカが「ウクライナとイスラエルにこれまでと同じペースで支援を続けていくことは不可能だ。私たちは転換点を迎えている」との見方を示した。
米シンクタンク「責任ある外交に関するクインシー研究所」の上級研究員であるウィリアム・D・ハートゥングは、「中東の戦争がエスカレートし、ウクライナへの武器供与の必要性も増している。その上、国防総省は中国からの脅威に対処するために年1兆ドルの軍事予算を求めているが、それではアメリカの財政がパンクしてしまうだろう」と本誌に述べた。「連邦政府が今後10年間に支払う借金の利息は国防費を上回る見通しだ。災害支援も必要だ」
米ブラウン大学ワトソン国際関係研究所の「戦争のコスト」プロジェクトによれば、2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを襲撃して以降の1年間で、アメリカがイスラエル関連で費やした軍事費は226億ドルに達している。