「イランは無防備」「50年に1度の大チャンス」...中東大戦へのカウントダウンが始まったのか?
The Real Tests Are to Come
ゲレヒトは「イスラエルがイランからの挑発に強硬措置を講じなければ、イランに核の保有を許すことになる」と指摘。イスラエルにとってイランの核開発計画への攻撃は、戦略的に不可欠だという考えも示した。
「イランを大々的に攻撃しても──その原油産業施設や軍事施設、最高指導者のアリ・ハメネイを含む指導層を攻撃したとしても、核兵器のインフラを標的にしなければ、イランの策謀への抑止としては意味がない」
しかしバイデンとハリスは、こうしたエスカレーションを何としても避けたい。中東の紛争が大規模なものに発展すれば、米軍はほぼ確実に巻き込まれ、アメリカ国民に死傷者が出かねない。
これが投票日直前に選挙の形勢に大きな影響を与える「オクトーバー・サプライズ」となれば、ハリスの勝利は危うい。
外交面で緊急の課題は、バイデンが影響力を発揮し、イスラエルによるイラン攻撃のエスカレーションを抑止して全面戦争を食い止められるかどうかだ。実際、10月1日のイランによる攻撃は、バイデンとハリスが抑止を働きかけると踏んだ上で、タイミングを計って行われた可能性が高い。
民主主義防衛財団の上級研究員で、イランのミサイル能力に関する専門家のベーナム・ベン・タレブルは、イランが全面戦争の回避を試みる米政府の「土壇場の踏ん張りを当てにしているのではないか」との見方を示した。