最新記事
自然現象

「天国への階段」「本物の自然は...」嘘みたいに美しい空模様にネット騒然...驚きのその光景とは?

Internet Stunned by Unusual Cloud That 'Just Kept Going' Across Sky

2024年9月18日(水)13時05分
スー・キム
茜色の空

(写真はイメージです) Maxim Studio-Shutterstock

<TikTokでは7月に公開されて以来、400万回以上再生され、110万を超える「いいね」を集めている>

まるで「天国への階段」のような見事な雲の動画がTikTokユーザーたちを魅了している。

【動画】嘘みたいに美しい空模様で「天国への階段」のようだと話題のシーン

この映像は@verivanessaによって投稿されたもので、日の出のタイミングで水平線上に大きな雲がかかり、オレンジがかったピンク色の空を横切るように長方形の暗い影が伸びた様子を映し出している。

この動画は7月11日に投稿されて以来、400万回以上再生されている。

天気アプリ「マイレーダー」の上級気象学者マシュー・カプッチは本誌に、動画に映っている暗い長方形は雲ではなく影だと語った。

「動画の序盤でモコモコした雲が見えると思う。あれは積乱雲だ。コットンボールに似ていて、温度と湿度が高いときに形成される」

カプッチは動画が夕日を撮影したものではないかとした上で、「太陽は水平線の近くにあり、積乱雲の下に隠れている。つまり、雲が上方に長い影をつくっている」と続けた。

米国の気象予報会社「アキュウェザー」の気象学者ジェシー・フェレルは本誌の取材に対し、「発達中の嵐やにわか雨によって雄大雲ができ、この例のように他の雲よりずっと高くなると、日没の直前あるいは直後にこうした影ができる」と説明する。

動画の雲は熱帯地方で撮影されたものとみられ、「温度と湿度が高く、雲がより高く成長しやすい」とカプッチは話す。「非常に高いところまで成長するものの細いままなため、沈みゆく太陽の光を遮って空に影をつくることになる」

カプッチはまた、影が暗い帯状に見えるのは「高層大気に氷でできた非常に薄い雲があるためだ」と述べている。

「モコモコした雲の影が薄い雲にかかることで、地上からは暗い帯に見える。その影の外側では、夕日が薄い雲をピーチアンバー色に染めている」

フェレルによれば、このような雲は「ビーチのように木のない場所で最も見やすい」という。

「このように影が太陽と正反対の方にまで伸びる現象は反薄明光線と呼ばれている」と彼女は補足する。一見珍しいように思えるこの雲だが、カプッチによれば「まったく珍しい現象ではない」とのことだ。

「実際、この種の反薄明光線はよく生じる。ただ、今回の例ほど完璧なものはめったに見られない」

この印象的な雲の動画はTikTokユーザーたちを驚かせている。

@remingt0nxd7は一言、「素晴らしい」と感想を述べ、@lostlycaは「天国への階段だ」と形容している。@fishpond9000は「ずっと続いてた! 予想外だった」と驚きを示した。

@rogu3p4nd4は「絵画や本では決して見られないものだ。本物の自然は信じられないほど美しい」とコメントした。

本誌はTikTokを通じて投稿者にコメントを求めているが、この動画について独自に検証することはできていない。

(翻訳:ガリレオ)

20250408issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米プリンストン大への政府助成金停止、反ユダヤ主義調

ワールド

イスラエルがガザ軍事作戦を大幅に拡大、広範囲制圧へ

ワールド

中国軍、東シナ海で実弾射撃訓練 台湾周辺の演習エス

ワールド

今年のドイツ成長率予想0.2%に下方修正、回復は緩
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中