「この選択は人生の冒険」洪水リスクにさらされる荒川河川敷のホームレスたち
あなたはあの日、岸から離れ、水がなくて弱っていたカメを拾い、川に返してやりたいと思った。一番近い道として私の家を通らなければならず、私は微笑んであなたに『どうぞ』と言った。あなたは私が親切だと思って、戻ってくると私と話をして、最終的に私たちは友達になった。冒険が私たちの縁を繋げたのだ。
このように、人は誰でも、他の人に対して親切にすると、友好的な贈り物が返ってくる。あの時、私があなたを通さなかったら、あなたは別の道を探して川に行き、戻ってきて私に話しかけてくることはない。あなたは私と通行人のようにすれ違っただけだっただろう。荒川の川辺での私たちの出会い、そして私たちが友達になって得た喜びは、お金持ちには体験できない」
助け合い人生を切り開く、そんな風潮がなくなった
桂さんと斉藤さん(仮名)の付き合いには、称賛すべき良い話がある。
2年前のある日、桂さんは荒川を上流に2~3キロ行った戸田橋まで、ホームレスの友人に会いに行き、そこで斉藤さんと知り合った。斉藤さんは当時、戸田橋の下でダンボール箱で生活していた。
桂さんはそれがあまりにも安全ではないと思い、斉藤さんにこう言った。「私の住む新荒川大橋のほうに引っ越してきてください。丈夫なテント小屋を建ててあげるから」
数日後、斉藤さんは本当に引っ越してきて、桂さんが建てた新しい家に住み始めたのだ。その後、彼らは兄弟のように親しくなった。
桂さんはこう話す。
「私が子供の頃は、何か困ったことがあれば、近所の人同士で助け合った。今はそんな風潮がなくなった。だから、今の若者にはもっと冒険が必要だ」
生活の中で勇敢に冒険し、冒険の中で懸命に生を求め、生を求める中で和やかに助け合い、共に助け合いながら新たな人生を切り開く!
人生はこうあるべきだ。桂さんは、まさにそれをやり遂げている。
桂さんと話をするだけで、私はいつも学びを得ていることに気づいた。
前に一緒に食事をしたとき、今の日本人は以前ほど礼儀正しくない、と私が愚痴をこぼしたことがある。ランニングをするとき、向こうから走ってきた人に私は挨拶をするのだが、いつも相手にしてくれない人がいる。どうして?
桂さんはこのように話した。
「人は走るとき、呼吸とペースを整えることに集中しなければなりません。この状態では、他のものに邪魔されたくないものです。それが相手があなたに返事しない理由かもしれない。お互いがただ散歩しているときだったら、挨拶をすれば、きっと返事をしてくれますよ」
ありがとう桂さん! また一つ勉強になりました。