最新記事
ウクライナ戦争

ロシア国内の「黒海艦隊」基地を、ウクライナ「水上ドローン」が襲撃...攻撃の様子捉えた動画が拡散

Ukraine's Naval Drones Target Russian Black Sea Fleet's New Hideout

2024年9月8日(日)13時15分
イザベル・ファン・ブリューゲン
ウクライナ水上ドローンがロシア黒海艦隊基地を攻撃

ロシア黒海艦隊の艦船 EYEPRESS via Reuters

<水上ドローンによる猛攻に耐えかねて撤退した黒海艦隊だが、ウクライナ軍はノヴォロシースクの港にも到達可能な水上ドローンを保有している>

ウクライナの水上ドローンによる度重なる攻撃で甚大な被害を出し、クリミア半島からロシア国内への「後退」を余儀なくされていたロシア黒海艦隊だが、今度は基地があるロシア南部ノヴォロシースクがウクライナ水上ドローンによって攻撃された。攻撃の様子は動画で撮影されており、SNSで公開されて大きな話題となっている。

■【動画】ロシア黒海艦隊、国内でも「水上ドローン」の襲撃受ける...クリミアから「撤退」後 攻撃の様子を捉えた動画

この攻撃後、ロシア国防省は「黒海の北東部で」水上ドローン2機を破壊したと発表している。またノヴォロシースクのアンドレイ・クラフチェンコ市長は、海岸付近の住民に対して、窓には近づかず、空き地から離れるよう呼びかけた。

ロシアの複数のテレグラムチャンネルも、ノヴォロシースクでの武器の発射と爆発を伝え、攻撃の映像を共有した。ロシアの独立系メディア「ASTRA」は、「ウクライナ軍の水上ドローンがノヴォロシースクを攻撃した」と伝えた。

ウクライナはここ数カ月、水上攻撃ドローン「マグラV5」を使ったロシア海軍への攻撃を強化してきた。ウクライナ国防省情報総局は5月、これまでにロシアの艦艇に5億ドル相当の損害を与えたと発表した。同局のアンドリー・ユーソフ報道官は、マグラV5は黒海艦隊を標的にする上で「ウクライナが持つ主要かつ最良の兵器」だと述べた。

シー・ベイビーとコザック・ママイはロシア南部に到達可能

これを受けてロシアは、自国が誇る黒海艦隊の多くをすでにクリミアのセバストポリからノヴォロシースクとフェオドシアの港に移動させていた。

キエフ・ポスト紙によると、ウクライナ軍は、ノヴォロシースクに到達可能なシー・ベイビーとコザック・ママイという2機の海上ドローンも保有している。

2023年8月には、ウクライナの海上ドローンがノヴォロシースクの軍事基地を攻撃し、ロシアの北方艦隊の大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」を損傷させ、航行不能にした。同艦は兵員や軍事装備の輸送に使用されていた。

ロシア国防省は今年7月にノヴォロシースクに向かっていたドローン2機が黒海で破壊されたと発表したが、クリミアに拠点を置くテレグラムチャンネル「クリミアの風」は疑問を呈し、ノヴォロシースク港で発生した火災を示しているとする衛星画像を公開した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場・寄り付き=ダウ約300ドル安・ナスダ

ビジネス

米ブラックロックCEO、保護主義台頭に警鐘 「二極

ビジネス

FRBとECB利下げは今年3回、GDP下振れ ゴー

ワールド

ルペン氏に有罪判決、被選挙権停止で次期大統領選出馬
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 5
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中