最新記事
米大統領選

【インタビュー】「民主党は労働者の党に戻れ...」サンダースがハリスに示す勝利への道筋

SANDERS SPEAKS OUT

2024年9月6日(金)13時40分
ジェイソン・レモン

これまで私は、バイデン政権の国内政策の多くを支持してきた。インフラの再建や気候変動対策としてのエネルギーシステム変革への投資、製薬業界との薬価引き下げ交渉など、彼らは国内で多くの優れた取り組みを行ってきた。だがガザの問題については、バイデン政権の対応は間違いだと思う。

それでも私は、有権者にはこう言いたい。これからもバイデン政権の、そしてハリスの姿勢を変えさせる努力を続けていこう。このひどい戦争が続いている限り、アメリカはイスラエルの極右ネタニヤフ政権に対する一切の支援を行ってはいけない。そういう圧力を、政府にかけ続けようじゃないか。


しかし、だからといって今度の大統領選でハリスに一票を投じないというのは大間違いだ。

そもそも共和党には、飢えに苦しむガザの子供たちに人道支援を行うつもりもない。もしもトランプが政権を握ったら、あそこの状況は今よりも悪化するだろう。

──あなたはハリスが大統領になれるよう尽力していると言いつつも、まだ正式に彼女への支持を表明してはいない。その理由は?

いわゆる正式な支持表明というのは、メディアが気にしていることにすぎない。私は常に、ハリスが大統領に選ばれるよう全力を尽くしている。そのために全国を駆け回っている。(激戦州の)ウィスコンシンにも行った。そして彼女と彼女のチームが、なによりも経済問題の重要性を理解してくれるよう願っている。

人工妊娠中絶の問題も気候変動の問題も、確かにとても重要だ。だが目前に迫る大統領選で勝ちたければ、いまアメリカの人々を苦しめている経済の問題を前面に押し出して訴えるべきだ。それが一番だ。

──投票日まであと2カ月、決戦に臨むハリス陣営に忠告しておきたいことはあるか。

思うに、アメリカ国民は今の経済システムに強い怒りを抱いている。なにしろたった3人の大富豪が、国民の下から半分よりも多くの富を手にしているのだから。上の人間はすごく甘い汁を吸い、働く人たちはすごく苦しい思いをしている。ここのところを突いてほしい。

大金持ちが巨額の政治献金をして、お気に入りの候補を当選させ、嫌いな候補は落選させる。こんな政治のシステムにはみんなうんざりしている。共和党系も民主党系も無党派層も、みんなそうだ。

だから、まあハリスへの忠告ということで言わせてもらえば、この国の人たちの現在地から決して目をそらすなということだ。商業メディアの言うことなど気にするな。評論家や大口献金者の言うことなど、気にしちゃいけない。

ニューズウィーク日本版 独占取材カンボジア国際詐欺
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中