最新記事
バスケットボール

レブロン、カリー、KDの大きすぎる穴...五輪5連覇も「次は苦戦」と元NBA・殿堂入り選手 アメリカを脅かす国は?

NBA Hall of Famer Claims 'USA Is In Trouble Next Olympics'

2024年9月2日(月)17時45分
ヴァレンティーナ・マルティネス
抱擁を交わすレブロン・ジェームズとステフィン・カリー、そしてケビン・デュラント

決勝でフランスに勝利し、金メダルを獲得したアメリカ代表。大黒柱としてチームを優勝に導いたレブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、ケビン・デュラント(8月10日、パリ) Jari Pestelacci/Just Pictures/Sipa USA via Reuters Connect

<パリ五輪男子バスケットボールで5連覇を達成したアメリカ代表だが、T-MACの愛称で知られる元NBA選手のトレイシー・マグレディは、「大黒柱不在」の次回はより厳しい戦いになるとの見解を示した>

NBA(北米プロバスケットボールリーグ)の元選手で2013年に引退、17年に殿堂入りしたトレイシー・マグレディ(愛称はT-MAC)が、28年ロサンゼルス夏季五輪でアメリカ代表チーム(チームUSA)は金メダルをとれないのではないかという考えを示した。

【動画】「次のオリンピックでアメリカは苦戦する」と語るT-MAC

マグレディは自身のインスタグラムに投稿した動画で、「チームUSAは次のオリンピックで困ったことになる。残念ながら金メダルが他の国へ渡ってしまうかもしれない」と述べている。

「私はアントマン(アメリカ代表アンソニー・エドワーズの愛称)のプレーが大好きだ。ジェイソン・テイタムがどんな活躍をするかも分からない。では、アメリカでこれから頭角を現す選手は誰なのか? パオロ・バンケロを投入できるかもしれない。若手の有望株だからね。クーパー・フラッグもいい。(NBAキャリアの)3年目か4年目に入る頃だろう。私としては、ステフィン・カリーやケビン・デュラント、レブロン・ジェームズ並みの選手を期待しているが、現れる様子はない。(アメリカ代表は)次のオリンピックでは苦戦するかもしれない」

バンケロやフラッグのような前途有望とされる次世代のNBAスターがいるものの、超大物であるステフィン・カリー、ケビン・デュラント、レブロン・ジェームズらのレベルにはまだ及ばない。彼らがコート上で見せるインパクトを再現することは難しい。さらに、アメリカ代表には2028年ロサンゼルス五輪でチームを引っ張っていける明確なリーダーがいない。

デビン・ブッカー、アンソニー・エドワーズ、ジェイソン・テイタム、アンソニー・デイビスが、次のアメリカ代表で「コア4(中核となる4選手)」になるのかもしれない。それぞれに長所があるが、彼らはレブロン・ジェームズのような影響力の大きい選手の穴を埋めることができるだろうか。

他国はすでに台頭しつつある選手たちを国際大会に出場させている。カナダ代表はパリ五輪で、ジャマール・マレー、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、ディロン・ブルックス、RJ・バレットらNBA選手を多数起用。フランスは決勝でアメリカに敗れはしたが、世界の強豪相手にどれほど健闘できるのかを証明してみせた。

「カナダには大きなチャンスがあると思う。ウェンビー(ビクター・ウェンバンヤマ)を擁し、才能豊かな選手を輩出するフランスも優勝に近い」とマグレディは続けた。「このような国々からどんな選手が出てくるのか、とにかく分からない」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 7
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中