最新記事
中東紛争

イスラエルのレバノン空爆死者、2日間で569人 ヒズボラ幹部も

2024年9月25日(水)10時32分
レバノン南部への空爆

イスラエル軍が24日、レバノンの首都ベイルート南郊で行った空爆で、イラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラのロケット部隊幹部が死亡した。写真はイスラエル北部のレバノンとの国境地帯で5月撮影(2024年 ロイター/Ayal Margolin)

イスラエル軍は24日、レバノンの首都ベイルートへの空爆で親イラン民兵組織ヒズボラ幹部の1人を殺害したと発表した。双方による越境ロケット弾攻撃により、中東で紛争拡大懸念が一段と高まっている。

イスラエル軍によると、死亡したのはヒズボラのミサイル・ロケット部隊のイブラヒム・クバイシ司令官。ヒズボラ側も死亡を確認した。

イスラエル軍は、レバノン南部全域のヒズボラの標的に対して「大規模な攻撃」を行い、攻撃対象には武器貯蔵施設やイスラエルを狙った数十基の発射装置も含まれているとした。

イスラエルは2日連続でレバノン各地のヒズボラ支配地域を攻撃している。23日に実施した大規模な攻撃では、500人近くが死亡。1日の死者数としては1975─90年の内戦以来、最多となった。

情報力と技術力で優位

レバノン保健相によると、2日間の死者は569人で、うち50人が子どもだという。負傷者は1835人に上っている。

イスラエルの情報収集能力と技術力は、レバノンとパレスチナ自治区ガザの両方で強い優位性をもたらしている。イスラエルはヒズボラの最高司令官やイスラム組織ハマス指導者らを追跡し暗殺してきた。しかし、ヒズボラはイスラエルとの数十年にわたる敵対関係の中で強い抵抗力を見せており、ハマスよりも手強い敵とされる。

ヒズボラはこの日、メッセージングアプリ「テレグラム」への投稿で、イスラエル軍基地への攻撃に新型ロケット「ファディ3」を使用したと発表。また、イスラエル北部のダド軍事基地にロケット弾を発射したほか、ハイファ南部のアトリット海軍基地をドローンなどで攻撃したとも明らかにした。

イスラエル軍は、ダド基地がある北部の都市サフェドとその周辺地域で夕方にサイレンが鳴ったと述べたが、基地が攻撃されたかどうかは明らかにしなかった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中