環太平洋の諸民族のルーツは...「実は台湾」 マダガスカルからニュージーランドまで、対中国の心強い味方に?
「太平洋オーストロネシア合同収穫フェスティバル」の準備をする台湾原住民族の人々 REUTERS
<太平洋に広がる「オーストロネシア語族」の祖先は皆、台湾原住民族であるという説が、近年ますます有力になっている>
西はマダガスカル島、東はイースター島、南はニュージーランドまで広大な範囲に及ぶ太平洋の「オーストロネシア語族」。
実は彼らの祖先は皆、台湾原住民族(先住民)に行き着くとの研究が、最近ますます有力になっている。約5000年前から黒潮に乗って、台湾を起点として各地に広がっていったというのだ。
それに合わせ、台湾原住民族を祖系とするニュージーランドのマオリと台湾・台東のアミ族の交流や、台東長濱で古代カヌーによる航海術を復活させようと発足した「長濱船団」とハワイの伝統航海カヌー・ホクレアとの文化交流も始まっている。
さらに、今年6月にハワイで開催された太平洋諸島の先住民文化を祝う世界最大級のイベント「フェスティバル・パシフィック・アート&カルチャー」の台湾館では、オーストロネシア語族の「家」というテーマで展示が行われた。
漢民族より前から台湾に暮らしてきた先住民の文化的独自性は、中国との差別化を図る意味でも注目される。しかも、その仲間が各地に存在するとなればなお心強い。
外交関係のある国がどんどん減っている台湾だけに、環太平洋全体に広がる「一族」の関係強化は重要戦略だ。