韓国、分断の光復節 ユン大統領に反発した独立運動家の遺族ら独自の式典開催
独立運動家の遺族らは政府とは別に記念式を開催
だが、今年の光復節の式典で一番例年と違ったのは、独立運動の活動家の遺族や子孫による団体「光復会」が、1965年の設立以来初めて、政府の光復節の慶祝式に参加せず、別途の記念式を行った点だろう。
問題は、忠清南道天安市にある独立記念館の新館長をめぐるトラブルが影響している。8月7日、政府国家報勲部が高神大学の金亨錫(キム·ヒョンソク)教授を独立記念館館長に指名し、休暇中のユン大統領がこれを承認して即決で任命された。
しかし、キム·ヒョンソク教授が過去、ある保守系団体で講演した際、「1945年8月15日は光復節ではない。1948年8月15日に政府を樹立した。そこから大韓民国が始まった」「1948年以前には韓国国民はなく、日本国民だけがいた」などニューライト的歴史観を表わしたことがあり、任命前から光復会は「日本による植民地時代の植民支配と親日反民族行為を美化し、大韓民国臨時政府の正統性を否定するニューライト(新右翼)を独立記念館館長に座らせようとしている」と反発。共に民主党など野党も「植民支配美化人事に対する任命を直ちに撤回せよ」と批判するなど政治問題化したのだ。
だが、ユン大統領は光復会や野党の任命撤回の声を無視したため、反発した光復会や野党側は政府が世宗文化会館で開催した光復節の式典をボイコット。光復会はソウル孝昌公園の白凡·金九記念館で独自の記念式典を開催し、野党の指導者や国会議員もこちらに出席した。イ·ジョンチャン光復会長は記念演説で「国民に理解と許しを求める」としながらも「歴史的退行を見守ることはできなかった」と述べた。
またイ会長はまた、キム·ヒョンソク独立記念館館長を念頭に「ニューライト陣営の主張どおり1948年に建国を認めることになれば、日本による植民地支配が合法化され、独立運動の歴史を根こそぎ否定されるだろう。厳重に警告しなければなりません。血で書かれた歴史を舌で論じる歴史で覆い隠すことはできません」と痛烈に批判した。
今年の光復節は、ユン大統領の演説内容とは裏腹に、南北統一以上に韓国国内の保守と革新陣営の対立解消が急務であることが明確になったといえるだろう。