最新記事
米大統領選

えっ、トランプが撤退!? ...憶測が流れ、ニッキー・ヘイリーの大統領選勝利オッズ急上昇

Nikki Haley's Chances of Becoming President Suddenly Surge With Bookmakers

2024年8月10日(土)15時25分
ジェームズ・ビッカートン
ドナルド・トランプ

8月3日にジョージア州アトランタで選挙集会を行ったドナルド・トランプだが Umit Bektas-REUTERS

<「高齢」トランプがバイデンと同じ道をたどる? トランプは既に共和党候補に正式指名されたはずだが、英大手ブックメーカーで「異変」が生じている>

突如として、ニッキー・ヘイリー前サウスカロライナ州知事が2024年米大統領選に当選するオッズが高まっている。共和党の指名候補は既に決定しているにもかかわらず、だ。

原因は、ドナルド・トランプがジョー・バイデンに倣って大統領選から撤退する可能性があるとの憶測が、ソーシャルメディアで出回っていること。

英大手ブックメーカーのウィリアム・ヒル社は、ヘイリーが11月に大統領に選出されるオッズを8月6日には0.4%としていたが、8月8日には2%に引き上げた。

ウィリアム・ヒルの広報担当者は、このオッズはヘイリーが無所属で出馬するのではなく、トランプに代わって共和党候補になることを前提としていると示唆した。

トランプ政権下で国連大使を務めたヘイリーは、大統領選の共和党候補に名乗り出たが、元上司であるトランプに敗れ、3月に指名争いから撤退している。

しかし8月1日、2017年7月にわずかな期間トランプ政権のホワイトハウス広報部長を務めたアンソニー・スカラムッチが、X(旧ツイッター)にこう投稿した。

「トランプの世論調査の数字が急落している。これからどうなるか、見てみればいい......ドナルド・トランプが選挙戦から離脱しても驚きではない」

「今回の米大統領選では、もう何度もねじれが生じている」

ウィリアム・ヒルの広報担当者リー・フェルプスは8月8日、本誌にこう語った。

「今回の米大統領選では、もう何度もねじれが生じている。ニッキー・ヘイリーの勢いが増すにつれ、もうひとつ大きなねじれが生じるかもしれない......火曜日(8月6日)にはノーマークの存在だったが、この48時間でヘイリー支持が増え、オッズは2%になった」

「共和党内でトランプを交代させる動きが見られるかどうかを言うのは時期尚早だが、興味深いことに、賭け市場でトランプは弱く、今では(民主党指名候補の)カマラ・ハリスとの差はほとんどない」

ヘイリーはトランプに代わる共和党候補を目指すという意思表示はしていない。本誌はヘイリー、トランプ両陣営に電子メールでコメントを求めた。

8月8日、ウィリアム・ヒルはまた、オハイオ州選出の上院議員J・D・バンスに代わって、ヘイリーが共和党の副大統領候補になるオッズも15.4%に引き上げた。7月末には7.7%だった。

7月21日、民主党の指名候補だったバイデン大統領は、81歳の年齢と認知能力を懸念する声が相次いだことを受け、選挙戦から身を引き、ハリス副大統領への支持を表明した。

それ以来、ハリスは10以上の世論調査でトランプを上回っている。大手ブックメーカーによると、現在、ハリスは11月に勝利して次期大統領になる最有力候補だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米経済に「スタグフレーション」リスク=セントルイス

ビジネス

金、今年10度目の最高値更新 貿易戦争への懸念で安

ビジネス

アトランタ連銀総裁、年内0.5%利下げ予想 広範な

ビジネス

トランプ関税、「コロナ禍規模の衝撃」なら物価懸念=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 9
    トランプ政権の外圧で「欧州経済は回復」、日本経済…
  • 10
    ロシアは既に窮地にある...西側がなぜか「見て見ぬふ…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 5
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 6
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中