最新記事
ロシア

ロシア国内クルスク州でウクライナ軍がHIMARS爆撃...クラスター弾が「補給路」を完全破壊する映像

HIMARS strikes obliterate Russian pontoon bridges on Kursk river

2024年8月23日(金)18時38分
テオ・バーマン
ロシアクルスク州でウクライナ軍がHIMARS攻撃

Viacheslav Ratynskyi-REUTERS

<クルスク州へのウクライナの越境攻撃で、既に補給路の橋3本を失っていたロシア。新たに設置した補給路までもが破壊されたことに>

ロシア西部クルスク州への越境攻撃を続けるウクライナ軍だが、ロシア軍にとって重要な補給路である「浮橋」や周辺のインフラに攻撃を仕掛け、これらを完全に破壊することに成功した。米国製のHIMARSによる爆撃とみられ、攻撃の様子を撮影した映像を見ると、クラスター弾が広範囲に降り注いで周囲の施設に大きなダメージを与えていることが分かる。

■【動画】ウクライナ軍、ロシア国内でHIMARSによる爆撃...クラスター弾で広範囲のインフラを破壊する映像

この動画はウクライナの特殊作戦部隊がSNSに投稿したもので、軍用機から撮影されたもの。クルスク州のセイム川に架かる浮橋が映し出され、その後にこの軍用機がロシアのインフラを攻撃し、その過程で橋が破壊される様子が確認できる。

高機動ロケット砲システム(HIMARS)が使用されたとみられる一連の攻撃に先立ち、ウクライナ軍はセイム川に架かる3本の橋(ロシア軍が補給路として使用していた)を破壊していた。ロシア軍は浮橋を設置して新たな補給路の確保を試みたが、今回の攻撃でその浮橋も破壊された形だ。

ウクライナ空軍の司令官であるミコラ・オレシュチュク中将は、ウクライナ軍が8月19日にクルスク州の橋を破壊し、「敵の補給能力を奪った」と述べた。

アメリカが提供したHIMARSを使用した攻撃

ロシアのあるテレグラムチャンネルには、クルスク州の集落スヴァンノエにある橋への攻撃は、ウクライナ軍がアメリカから供与を受けたHIMARSを使用したものだと記されている。同アカウントには18日の時点で、「この地域に残る橋はあと1本のみだ」と書かれていた。

これに加えてロシア外務省の報道官は、ウクライナ軍がクルスク州の国境地帯にある集落グルシュクヴォの近郊で、セイム川に架かる別の橋を「西側製の武器、おそらくアメリカのHIMARS」で「完全に破壊した」と述べた。

ウクライナ軍は8月6日にロシア軍の不意を突いて越境攻撃を開始した。クルスクへの攻勢で進展を続けており、ロシア国内の複数の前線での争いは激しさを増している。外国の軍がロシアの領土に侵攻したのは、第二次世界大戦以降で初めてのことだ。

ウクライナは、同国軍が越境攻撃を開始してからクルスク州で制圧した領土の面積について、ロシア軍が2024年に入ってからウクライナで占領した領土の面積を上回ると主張している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア新型中距離弾、実戦下での試験継続 即時使用可

ワールド

司法長官指名辞退の米ゲーツ元議員、来年の議会復帰な

ワールド

ウクライナ、防空体制整備へ ロシア新型中距離弾で新

ワールド

米、禁輸リストの中国企業追加 ウイグル強制労働疑惑
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 9
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 10
    巨大隕石の衝突が「生命を進化」させた? 地球史初期…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 6
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中