最新記事
越境攻撃

ロシア領1000平方キロ制圧、西部クルスク州=ウクライナ軍司令官

2024年8月13日(火)10時56分
ウクライナのゼレンスキー大統領

ウクライナのシルスキー軍総司令官は12日、越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州で、ウクライナ軍は約1000平方キロメートルの領土を制圧したと明らかにした。写真はウクライナのゼレンスキー大統領。4日撮影(2024年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

ウクライナは12日、越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州で約1000平方キロメートルの領土を制圧したと明らかにした。また、ロシアを和平に追い込む必要があるとの見方を示した。

ゼレンスキー大統領はシルスキー軍総司令官の報告動画を対話アプリ「テレグラム」に投稿。シルスキー氏はその中で「クルスク州で攻撃作戦を継続しており、現時点で約1000平方キロのロシア領を支配している」と述べた。同司令官がロシアへの越境攻撃に言及するのは初めて。

ゼレンスキー氏はウクライナ制圧下にあるロシア領での「人道計画」の準備を命じたと表明。ロシアへの攻撃に長距離兵器を使用する許可を西側の同盟国から得るために必要な措置のリストを作成するよう、国防省などに指示したことも明らかにした。

ウクライナのウメロフ国防相はこの日、フランスのルコルニュ国防相と電話会談を行い、西側諸国に供与された兵器でロシアの軍事目標を攻撃することを巡る規制を解除するよう要請した。

クルスク州のスミルノフ知事代行はこの日、プーチン大統領らが参加する会合で、ウクライナ軍は国境から約12キロの地域まで幅40キロにわたり侵入し、州内で28の集落を制圧したと報告した。

ゼレンスキー氏は国民向け演説で、越境攻撃はウクライナの安全保障上の問題だと説明。ロシアがクルスク州からウクライナに多数の攻撃を仕掛けているとし、同地域と国境を接するウクライナ北東部スムイ州は6月1日以降、ロシアから2100回近い攻撃を受けたと述べた。

また「プーチンがそこまで戦いたいなら、ロシアを和平に追い込む必要がある」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

2024091724issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年9月17日/24日号(9月10日発売)は「ニュースが分かる ユダヤ超入門」特集。ユダヤ人とは何なのか/なぜ世界に離散したのか/優秀な人材を輩出してきたのはなぜか…ユダヤを知れば世界が分かる

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル財界、ネタニヤフ首相に国防相交代見送り要

ワールド

カナダ補欠選挙で与党敗北、トルドー首相への辞任圧力

ワールド

欧州委の委員候補発表、新設の防衛担当はリトアニアの

ビジネス

アングル:米債券市場、景気巡り見方割れる FOMC
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優雅でドラマチックな瞬間に注目
  • 2
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰だこれは」「撤去しろ」と批判殺到してしまう
  • 3
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない」との研究が話題に...その仕組みとは?
  • 4
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 5
    バルト三国で、急速に強まるロシアの「侵攻」への警…
  • 6
    原作の「改変」が見事に成功したドラマ『SHOGUN 将軍…
  • 7
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 8
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 9
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座…
  • 10
    広報戦略ミス?...霞んでしまったメーガン妃とヘンリ…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 4
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 5
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 6
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 7
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 8
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 9
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 10
    33店舗が閉店、100店舗を割るヨーカドーの真相...い…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すればいいのか?【最新研究】
  • 4
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 5
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 6
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 7
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 8
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 9
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 10
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中