最新記事
クイズ

日本人が知らない「激ムズ」クイズ5選

2024年7月8日(月)23時30分
ニューズウィーク日本版編集部

ドナルド・トランプ

Evan El-Amin-shutterstock

Q.48 次のうち、トランプが信じているトンデモ論は?

──出題・森田優介(本誌デジタル編集長)

①宇宙人は存在する
②ケネディはCIAが暗殺した
③地球は平面である
④ビンラディンは死んでいない

A. ④ビンラディンは死んでいない

<解説>
4つのどれも(さすがに、たぶん...)信じていないと思いたいところだが、相手はドナルド・トランプ。陰謀論とフェイクニュース界のキングだ。1つ1つ見ていこう。

■宇宙人は存在する?

まず、宇宙人やUFOの存在については「自分は信じているとは言わないが、奇妙な飛行物体を見たことがあると真剣に話す真面目な人たちには会ったことがある」と、最近のインタビューで答えている。

トランプが話題にするのが好きなエイリアンは、「宇宙人」よりも「外国人」、つまり中南米からアメリカを「侵略」しにやって来る不法移民のほうだ(英語ではどちらもalien)。

■ケネディはCIAが暗殺した?

ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺は、事件から60年がたった今もくすぶり続ける陰謀論界の古典的名作。単独犯と断定されたが、旧ソ連、マフィア、あるいはCIAが関与したといった説が唱えられてきた。暗殺を調査したウォーレン委員会の報告書はすでに99%が公開されているにもかかわらず、だ。

トランプは2016年の大統領選出馬時、当選したら残るケネディ機密文書を全て公開すると約束していたが、結局、CIAとFBIに止められて実現しなかった。今回も同じこと――当選したら全て公開する――を約束している。トランプ自身が単独犯説を疑っているかは定かではないが、陰謀論好きなファンへのリップサービスかな。

■地球は平面である?

真面目に聞いていただきたいが、世の中には2024年の今も「地球は球体ではなく平面である」とする地球平面説を信じている人々がいる。米連邦政府は「ディープステート(闇の組織)」に支配されているとか、ヒラリー・クリントンが小児性愛と児童買春の組織に関わっているとか、トランプが流布した陰謀論や真偽不明の情報は数多いが、それらと比べても次元の高いトンデモ論だ。

2017~21年のトランプ前政権は「地球温暖化は嘘」とする側に立ち、環境問題に背を向け、パリ協定から離脱した。トランプ自身、「次第に涼しくなる」と言ってのけたこともある。そして当時の政権には、すでに定説となっていた地球温暖化を否定するために、温暖化を平面説になぞらえ、こんな発言をした政権幹部もいた。「かつて『地球は平面である』と圧倒的多数の科学者が言っていた。科学者は過ちを多く犯すものだ」

飛行機で飛び回っているトランプ自身は、きっと地球平面説を信じてはいないだろうけれど、科学も都合よく解釈するのがトランプ流。

■ビンラディンは死んでいない?

ブッシュ政権時代の2001年9月に同時多発テロが起きると、アメリカはその1カ月後、ウサマ・ビンラディン率いるテロ組織アルカイダの犯行とにらんで、潜伏場所とされたアフガニスタンに攻め入った。そして10年の歳月を費やした後、オバマ政権時代の2011年5月、米海軍特殊部隊がパキスタンでビンラディンを殺害した。

――はずだが、実はそのとき殺害されたのはビンラディンの影武者で、オバマ政権はその事実を隠蔽したという陰謀論がある。つまり、ビンラディンは生きていた(だそうです)。

極右の陰謀論集団で、トランプ支持者が多く含まれる「Qアノン」を覚えているだろうか。数年前まではその活動が頻繁に報じられ、日本でも共鳴してデモをする人々が出現した。そのQアノン系のツイッターアカウントが2020年10月、根拠なき「オバマ政権が殺したのはビンラディンの影武者」説の記事をツイートすると、トランプはそれをリツイートして拡散させた。

リツイートしただけで「信じている」ことになる? リツイートは本人の発言と同じ。名誉毀損も成立し得る。皆さんも気を付けましょう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

情報BOX:パウエル米FRB議長の会見要旨

ビジネス

FRB、0.5%の大幅利下げ 年内さらに0.5%利

ワールド

イスラエル首相「北部住民を帰還させる」、通信機爆発

ワールド

国連人権高等弁務官、ヒズボラの通信機器爆発巡り調査
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁断の韓国ドラマ」とは?
  • 2
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 3
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS攻撃の衝撃シーンをウクライナ無人システム部隊が公開
  • 4
    「トランプ暗殺未遂」容疑者ラウスとクルックス、殺…
  • 5
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 6
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない…
  • 7
    この「自爆ドローンでロシア軍撃破の瞬間」映像が「…
  • 8
    米大統領選を撤退したのに...ケネディJr.の色あせな…
  • 9
    【独占】ゴルフ場でトランプを撃とうとした男はウク…
  • 10
    英国で「最も有名な通り」を、再びショッピングの聖…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 4
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 5
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 6
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁…
  • 7
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 8
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰…
  • 9
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 10
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 5
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 6
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 7
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 8
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 9
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
  • 10
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中