日本人が知らない「激ムズ」クイズ5選
Q.48 次のうち、トランプが信じているトンデモ論は?
①宇宙人は存在する
②ケネディはCIAが暗殺した
③地球は平面である
④ビンラディンは死んでいない
A. ④ビンラディンは死んでいない
<解説>
4つのどれも(さすがに、たぶん...)信じていないと思いたいところだが、相手はドナルド・トランプ。陰謀論とフェイクニュース界のキングだ。1つ1つ見ていこう。
■宇宙人は存在する?
まず、宇宙人やUFOの存在については「自分は信じているとは言わないが、奇妙な飛行物体を見たことがあると真剣に話す真面目な人たちには会ったことがある」と、最近のインタビューで答えている。
トランプが話題にするのが好きなエイリアンは、「宇宙人」よりも「外国人」、つまり中南米からアメリカを「侵略」しにやって来る不法移民のほうだ(英語ではどちらもalien)。
■ケネディはCIAが暗殺した?
ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺は、事件から60年がたった今もくすぶり続ける陰謀論界の古典的名作。単独犯と断定されたが、旧ソ連、マフィア、あるいはCIAが関与したといった説が唱えられてきた。暗殺を調査したウォーレン委員会の報告書はすでに99%が公開されているにもかかわらず、だ。
トランプは2016年の大統領選出馬時、当選したら残るケネディ機密文書を全て公開すると約束していたが、結局、CIAとFBIに止められて実現しなかった。今回も同じこと――当選したら全て公開する――を約束している。トランプ自身が単独犯説を疑っているかは定かではないが、陰謀論好きなファンへのリップサービスかな。
■地球は平面である?
真面目に聞いていただきたいが、世の中には2024年の今も「地球は球体ではなく平面である」とする地球平面説を信じている人々がいる。米連邦政府は「ディープステート(闇の組織)」に支配されているとか、ヒラリー・クリントンが小児性愛と児童買春の組織に関わっているとか、トランプが流布した陰謀論や真偽不明の情報は数多いが、それらと比べても次元の高いトンデモ論だ。
2017~21年のトランプ前政権は「地球温暖化は嘘」とする側に立ち、環境問題に背を向け、パリ協定から離脱した。トランプ自身、「次第に涼しくなる」と言ってのけたこともある。そして当時の政権には、すでに定説となっていた地球温暖化を否定するために、温暖化を平面説になぞらえ、こんな発言をした政権幹部もいた。「かつて『地球は平面である』と圧倒的多数の科学者が言っていた。科学者は過ちを多く犯すものだ」
飛行機で飛び回っているトランプ自身は、きっと地球平面説を信じてはいないだろうけれど、科学も都合よく解釈するのがトランプ流。
■ビンラディンは死んでいない?
ブッシュ政権時代の2001年9月に同時多発テロが起きると、アメリカはその1カ月後、ウサマ・ビンラディン率いるテロ組織アルカイダの犯行とにらんで、潜伏場所とされたアフガニスタンに攻め入った。そして10年の歳月を費やした後、オバマ政権時代の2011年5月、米海軍特殊部隊がパキスタンでビンラディンを殺害した。
――はずだが、実はそのとき殺害されたのはビンラディンの影武者で、オバマ政権はその事実を隠蔽したという陰謀論がある。つまり、ビンラディンは生きていた(だそうです)。
極右の陰謀論集団で、トランプ支持者が多く含まれる「Qアノン」を覚えているだろうか。数年前まではその活動が頻繁に報じられ、日本でも共鳴してデモをする人々が出現した。そのQアノン系のツイッターアカウントが2020年10月、根拠なき「オバマ政権が殺したのはビンラディンの影武者」説の記事をツイートすると、トランプはそれをリツイートして拡散させた。
リツイートしただけで「信じている」ことになる? リツイートは本人の発言と同じ。名誉毀損も成立し得る。皆さんも気を付けましょう。