ロシアにイスラム過激派の脅威、ウクライナとの二正面
ダゲスタンの襲撃事件について今のところ犯行声明は出ていないが、ISとの関係を主張するロシア国内の団体が、襲撃を巡って「コーカサス出身の兄弟」をたたえる声明をX(旧ツイッター)で発表している。
米シンクタンク、戦争研究所は、ISの北カフカス地方の支部組織が襲撃を実行した公算が大きいとの見解を示した。
いずれにしても一連の襲撃は周到に計画され、調整されたものだ、と複数の西側の専門家はみている。
ロシア大統領府は、プーチン氏は事態を綿密に把握し、さまざまな命令を下していると説明し、捜査も続けられていると述べた。
ペスコフ大統領報道官は、イスラム武装勢力がロシア全土で民間人を標的にした襲撃を繰り返した1990年代終盤から2000年代初めの状況が再燃するのではないかとの見方を一蹴。「現在のロシアは(当時と)違う。社会は絶対的に土台が固まり、ダゲスタンで見られたような犯罪的なテロリストはロシアでもダゲスタンでも社会の支援は得られない」と強調した。
ただホラサン・ダイアリーのバッレ氏は、数日前にトルコ政府関係者から、モスクワで新たな襲撃を計画していた組織をつぶす取り組みにトルコが力を貸したと打ち明けられたと述べ、ロシアの治安部門が抱える問題がウクライナとの戦争でさらに深刻化し、今も継続しているのだと付け加えた。
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