中国「一帯一路」の高速鉄道を欧州の親ロシア諸国首脳が「奇跡」と絶賛
Chinese High-Speed Rail Project in Europe Hailed as 'Miracle'
中国の高速鉄道「復興号」のメンテナンス作業(5月31、江西省九江市の九江科技駅)Photo by Costfoto/NurPhoto
<いずれもロシアと親しいハンガリーとセルビアを結ぶ高速鉄道を中国が請け負う政治力>
セルビアの首都ベオグラードで6月7日、ハンガリーと同国を結ぶ高速鉄道路線を走る予定の車両のお披露目があり、アレクサンダル・ブチッチ大統領は路線の建設に携わっている中国企業を称えた。
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ベオグラードとハンガリーの首都ブダペストを結ぶ高速鉄道路線は、ヨーロッパにおける中国の「一帯一路」経済圏構想の一環だ。アジアからアフリカ東部、東ヨーロッパにかけての広い範囲のインフラを開発するという大がかりな計画で、2013年に中国政府が発表した。中国政府の影響力強化を目指す試みの一つでもある。
中国はセルビアとハンガリー両国との関係強化に努めており、5月にヨーロッパを訪問した習近平国家主席も、フランスに続いて両国を訪れた。両国ともに、中国にとっては重要な友好国であるロシアと良好な関係を維持している(ハンガリーはEUとNATOの加盟国であるにもかかわらずだ)。
中国国営新華社通信によれば、7日にベオグラードでお披露目された列車の最高時速は200キロ。定員は250人だという。
ブチッチはこの場で、セルビアが中国中車(CRRC)にこの列車を5編成、発注したと明らかにした。
自前で車両の製造もやりたい「本音」
ブチッチは述べた。「契約では、2025年末までに全ての車両が納入されることになっている。われわれは9月、遅くとも11月中にはベオグラード-スボティツァ間で試験走行を行う。そのときはこの列車に乗れるかもしれない」
ブチッチは高速鉄道路線の建設にあたっている中国企業にも言及した。「特に中国交通建設(CCCC)には感謝したい。同社はたぶん、セルビアで仕事をした企業の中で最高の企業だ。まさに奇跡であり、関係者の働きぶりはすばらしい」
建設には複数の中国企業が関わっており、すでにセルビア第2の都市ノビサドとベオグラードを結ぶ区間は完成しており、ハンガリーとの国境に近いスボティツァまでの区間も12月までに完成の予定だ。ブダペストまで開通すれば、路線の全長は350キロメートルになる。
ブチッチはまた、セルビアが自力で列車を製造できるようになることへの期待を示した。「わが国は最高品質の非常に美しい列車を輸入しているが、遠くない未来に自分たちでも列車を作れるようになればと思う。それはセルビアの成長にとっては非常に重要なことになるだろう」