韓国、リチウム電池工場で爆発事故 火災により22名が死亡、1人行方不明
もうもうと煙を立てて燃えるリチウム電池工場 MBN News / YouTube
<ソウル近郊の町にある工場で何が起きたのか?>
韓国京畿道華城市(キョンギドファソンし)にあるリチウム電池工場で24日午前火災が発生し、これまでに死者22名、重軽傷8名という大惨事となった。KBS、YTN、JTBCなど韓国メディアが報じた。
消火活動が出来ない!
火災が発生したのはソウル市から南へ数十キロ離れた華城市の工業団地にあるリチウム電池工場。午前10時31分に工場2階でリチウム電池の完成品を検査して梱包する作業をしている途中、バッテリー1個が爆発するように炎を上げ、火災が発生したという。この爆発音は数キロ先からも聞こえたほどだった。
消防当局は最初の通報から20分で近隣の消防隊全てを動員する体制を取ったが、問題は火災の原因がリチウム電池だったこと。リチウムは水と反応すると激しく反応して水素を発生する。このため今回の火災では直接水を放水しての鎮火活動ができず、工場の2階に積まれているリチウム電池3万5000個がすべて燃え、自ら鎮火するまで待つしかなかったという。
火災当時、この工場では102人が働いていたということだが、1階で作業中だった従業員たちは火災直後に全員自力で避難できた。一方、火災が発生した2階では、多くの従業員が逃げ遅れたとみられ、消防の発表によると22人の遺体が確認された。このうち中国人が18人、韓国人が2人、ラオス人が1人で、残る1人は身元が確認できていないという。
韓国では1989年、全羅南道麗水(チョルラナムド・ヨス)の国家産業団地内のラッキー化学で発生した爆発事故で死者16名と負傷者17名の事故があったが、今回の火災はそれを上回る事故となった。