この10年で日本人の生活苦はより深刻化している
お金に困っている人の実数も見積もってみる。上述のように2023年の45~49歳だと、お金の悩みがある人の割合は48.6%。この年の当該年齢人口は912万人ほどなので、経済苦を感じている人の実数は443万人と推定される。<図2>は、年齢ごとの見積もり数をグラフにしたものだ。
この10年間で、お金に困っている国民の実数もかなり増えている。2023年で最も多いのは45~49歳、いわゆる「ロスジェネ」だ。全年齢層の合計は3757万人で、20歳以上の国民の3人に1人がお金に困っていることになる。
増税が相次いでいるが、税による再分配が適切に機能しているなら、こういう状況になるだろうか。国の税収は過去最高なのだが、最近の内訳をみると所得税や法人税よりも消費税が多くなっている。税金には累進性を持たせる、という原則が崩れつつある。
「国民の生活が苦しい、政府の出番だ」となるのだが、国のやることなすことが逆効果というケースが増えているように思えてならない。このほど徴収が決まった少子化支援金も、使途を誤らないようにしてほしい。まずは学校の学費を下げるというように、使い道を限定することから始めるべきだ。
<資料:内閣府『国民生活に関する世論調査』>
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