登山者を悩ませる「ヒル」、実はジャンプできると判明! 100年の疑問を解決する「決定的瞬間」の動画
Video Reveals Blood-Sucking Leech Can Jump—May Help 'Attach to Hosts'
Inna Horosheva/Shutterstock
<ヒルはジャンプできるのか、それとも頭上の枝から落ちてくるだけなのか。長年の議論についに終止符を打つ「証拠」が提示された>
科学者たちは、少なくとも1種の陸生ビルが「ジャンプできる」ことを証明する動画撮影に成功した。アメリカ自然史博物館、フォーダム大学、ニューヨーク市立大学メドガー・エバーズ・カレッジの科学者たちが科学誌「Biotropica」に発表した。ヒルはジャンプできるのか──100年以上も続いてきた議論に、ようやく終止符を打つことができそうだ。
■【動画】山道でいつの間にか体に付く「ヒル」、なんとジャンプしていたことが判明...「決定的瞬間」を研究者が撮影
今回の発見は、これまであまり注目されてこなかった吸血生物であるヒルの行動と生態について新たな洞察を提供するものだ。
論文の筆頭著者で米自然史博物館の客員研究員でありフォーダム大学の博士課程修了後研究員であるマイ・ファハミは声明の中で、「これはヒルがジャンプできること、それも明らかにエネルギーを消費してジャンプできることを示す、初めての説得力のある証拠だと確信している」と述べ、さらにこう続けた。
「これまでにも、人に飛び乗るなどヒルがジャンプするという報告はあった。だがそれらの報告は多くの場合、単に低木の脇をすり抜ける人の体にくっついたり、頭上の枝から落ちてきたりしたものだと一蹴されてきた。今回の研究は、それらの主張を打ち消すものだ」
体の反動を利用してジャンプするヒルの姿
「ヒルがどうやって宿主を見つけてその体に付着するのかを特定することができれば、ヒルの消化管の内容物分析の結果をもっと深く理解できるだろう」とファハミは述べた。「ヒルは多くの場合、見過ごされて研究が不足されている生物でもある。生態系の自然な一部として、ヒルもまた保護の必要があるかもしれない」
この発見は2017年から2023年にかけてマダガスカルで行われた2度の研究旅行の中でなされたものだ。ファハミは陸生ヒルの一種「Chtonobdella leeches」が植物の葉の上で反り返り、その後身体を空中に投げ出す様子を動画に捉えた。
研究者たちはこの動きを「コブラの後屈」やバネが元に戻る動きになぞらえた。動画の中のヒルはジャンプをする際、普段のシャクトリムシのような動きとは異なり、身体を伸ばしたままの状態を維持している。
論文の共著者であるマイケル・テスラ―(メドガー・エバーズ・カレッジの准教授および自然史博物館の研究員)は、「基本的にヒルのジャンプは優雅だが、着地は衝撃を伴いそうだ」と述べた。
タマバエやチチュウカイミバエ、チーズバエや一部の毛虫の幼虫はジャンプ能力を持つが、陸生ヒルのジャンプ能力に関する具体的な証拠はこれまでほとんどなかった。