最新記事
兵器

ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「長距離攻撃」動画で示した超攻撃力(ウクライナ)

Ukrainian M2A2 Bradley Takes Out Russian T-80 Tank in Video

2024年5月11日(土)15時30分
イザベル・ファン・ブリューゲン
M2ブラッドレー歩兵戦闘車

米軍のM2ブラッドレー歩兵戦闘車(2007年) Jo Yong-Hak-Reuters

<ウクライナ東部ドネツク州で撮影された動画には、ブラッドレーがTOW対戦車ミサイルでT80戦車を撃破する瞬間が捉えられている>

ウクライナの戦場で2000両以上もの戦車を失っているロシアだが、そこで大きな脅威になっているのがアメリカからウクライナに供与されたブラッドレー歩兵戦闘車だ。その高い攻撃力を示す動画が公開された。ドネツク州で、約2キロという遠方にいるロシアのT80戦車に正確な攻撃を繰り出し、見事に撃ち抜いて見せたのだ。

■【動画】ロシアの「天敵」ブラッドレー歩兵戦闘車...はるか遠方の戦車を撃ち抜く「長距離攻撃」動画

映像は、ウクライナ東部の激戦地ドネツク州の最前線で戦う同国の第47独立機械化旅団が5月8日に公開したもの。同旅団によると、ロシアの戦車は重対戦車誘導ミサイルで破壊された。

「ブラッドレー歩兵戦闘車がロシアのT80戦車と対戦!」と同旅団はテレグラムのチャンネルに投稿。「第47独立機械化旅団が(BGM-71)TOW対戦車ミサイルを使用して、敵の車両を破壊した。第2機械化大隊のディスカバリー班の功績だ」と説明し、「我々は任務を続ける!」と述べた。

本誌は、この映像が撮影された日時や場所を独自に確認できておらず、ロシア国防省にメールでコメントを求めている。

米政府はウクライナにブラッドレー186両を供与

米国が供給するブラッドレー歩兵戦闘車には、爆発弾と徹甲弾を発射する強力な25ミリ砲が装備されている。製造元のBAEシステムズによれば、「卓越した生存性、機動性、殺傷力」を持ち、最大10人を輸送できるという。

米政府は、2022年2月にロシアのウラジーミル・プーチン大統領が開始した戦争でウクライナを支援するため、ブラッドレー歩兵戦闘車を186両供与している。

今回公開された映像には、夜間の戦闘が続いた後、焼け焦げたロシアのT80戦車にクローズアップした空撮映像が映されている。

この戦争では、ロシアとウクライナ両軍で戦車の損害が拡大している。

オランダの公開情報分析サイトOryxは、ウクライナで本格的な戦争が始まって以来、ロシア軍の戦車2001両が破壊され、156両が損傷し、329両が放棄され、514両が鹵獲(ろかく)されたことを確認している。

一方、ウクライナ軍の戦車は547両が破壊され、68両が損傷し、61両が放棄され、132両が鹵獲されたことが確認された。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中