「あごのラインが大王に激似」...トランプ前大統領の末息子「バロン王子」に少女たちの妄想が止まらない
The Other Trump Son Emerges
典型的なアイドル並み
ネット上のもっと穏健で女性が集う界隈でさえ、バロン熱が急上昇しているのが見て取れる。TikTokやインスタグラムにはバロンファンのアカウントが出現し、ハリー・スタイルズやBTSといった典型的なアイドル並みに、彼の整った顔立ちや王子様っぽさをべた褒めしている。
さらに、主に少女や若いLGBTQ(性的少数者)がファンフィクションを投稿して楽しむ文章共有プラットフォームのワットパッドには、バロンをテーマにした幻想的なおとぎ話が盛りだくさんだ。
「そうした物語や、そこに投稿されたコメントの多くを見れば、彼をある種の悲しみをたたえた少年として描くことで、他のトランプ一族とは一線を画する存在にしようとの動きが見て取れる」と、ファンコミュニティーを研究するニューヨーク工科大学のジェシカ・ハウチ教授は言う。
「バロンはトランプ家の他の面々ほど政治に積極的ではなかったので、恋愛相手の王子様的な役を当てはめられる。ヒロインが恋に落ちる金持ちの少年は、その家柄や父親の地位のせいで抑圧されている......というファンタジーだ」
その意味では、ファンフィクション執筆者もドナルド・トランプ君主制主義者も、バロン・トランプについて私たちが本当に知っている唯一の事実にこだわっている。重圧のかかる環境で常に監視の目にさらされた18歳ならほとんど誰でもそうであるように、彼も謎の存在だということだ。
バロンは今秋には大学に進学することになる。そこで高度な学問に触れて社会的変化を味わい、指導教授の監督を受けるも両親の監督から解放されるという環境で、自分自身をより理解するだろう。
その後、彼にとっての政治とはどうなるのだろうか。正式な社会デビューを計画しているのだろうか。大統領職を夢見ているのか、それともマールアラーゴの金ぴか御殿で静かな生活を望むのか。
誰にも分からないが、だからと言って私たちが、ちょっと先の大人バロンについて好き勝手に妄想することは、もう止められない。
2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む
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