最新記事
香港

「前代未聞の大量有罪判決」とアムネスティ 香港民主派14人、国安法違反で有罪判決

2024年5月30日(木)20時44分
ロイター
香港民主派

香港高等法院(高裁)は30日、民主派が香港国家安全維持法(国安法)違反に問われた裁判で、14人に有罪判決を言い渡し2人を無罪とした。写真は西九龍の裁判所建物前で撮影(2024年 ロイター/Tyrone Siu)

香港高等法院(高裁)は30日、民主派が香港国家安全維持法(国安法)違反に問われた裁判で、14人に有罪判決を言い渡し2人を無罪とした。

香港立法会(議会)選挙に向けて2020年7月に予備選を実施したのは、政府機能をまひさせ指導者を辞任に追い込もうとする「悪質な陰謀」として47人が起訴された。

このうち31人はこれまでに罪を認めたが、残る16人の公判が行われていた。新たに有罪となった14人には後日、刑が言い渡される。国安法違反の最高刑は終身刑。

無罪となった2人については保釈が延長された。検察は、無罪判決を不服として控訴する方針。6月25日に再び公判が開かれ、量刑言い渡し前の被告の陳述が行われる。

米国など一部の国は裁判が政治的動機に基づいていると批判し、被告らを直ちに釈放するよう求めている。

高裁は被告らの試みが成功していれば香港に「憲法上の危機」が生じ、「(香港)政府による法に基づく責務と機能の遂行に対する重大な妨害や混乱、弱体化」につながった可能性があるとした。

国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルの中国担当ディレクター、サラ・ブルックス氏は声明で「この前代未聞の大量有罪判決は、香港の国安法がいかに異論を封じるために武器化されているかを示す、これまでで最も冷酷な例だ。これは政治的敵対勢力をほぼ完全に粛清することを意味する」と非難した。

被告の大半は21年2月28日から勾留されている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国の半導体関税、台湾経済部長「影響をシミュレーシ

ワールド

イランとの合意、ウラン濃縮と兵器の検証が鍵=米政権

ワールド

米財務長官がアルゼンチン大統領と会談、経済改革を評

ビジネス

午前の日経平均は続伸、米株上昇や円高一服受け幅広く
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトランプ関税ではなく、習近平の「失策」
  • 3
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができているのは「米国でなく中国」である理由
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    米ステルス戦闘機とロシア軍用機2機が「超近接飛行」…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中