最新記事
ロシア戦車

立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

Video Shows Ukraine Blow Up 10 Russian Vehicles in Single Strike

2024年5月15日(水)09時54分
ゲイブ・ウィスナント

ウクライナ軍が破壊したロシアの主力戦車T-92M(2022年5月9日、ハルキウ)REUTERS/Vitalii Hnidyi

<ドネツク州の集落で、「1日で30両」の戦車を失うといわれるロシア軍の実力をウクライナ軍が実演して見せた>

5月13日にソーシャルメディアに投稿された動画には、ウクライナ軍がロシア軍の軍事車両10両を1回の攻撃で破壊する様子が捉えられている。

この動画は、ウクライナ陸軍の第63独立機械化旅団によってテレグラムに投稿された。伝えられるところでは、この攻撃により、ロシアの水陸両用の歩兵戦闘車「BMP-1」5両および戦車5両が焼失したという。戦車のうち少なくとも1両は、ロシアの主力戦車「T-90M」だったと、第63旅団は主張した。

【動画】ウクライナ軍の火砲とドローンでロシアの軍用車両10両が一瞬で火柱に 焦げた兵士も

場所は、ウクライナ東部ドネツク州にあるテルニーの集落と伝えられる。第63旅団は、これらのロシア軍車両を「砲弾および無人航空機(UAV)によって」破壊したとしている。

 

「第63旅団は、ロシア軍の車両10両を一撃で破壊した。第60連隊からの配属部隊および戦友の助力を得た」とテレグラムへの投稿には書かれている(ウクライナの報道メディア「ウクライナ・プラウダ」の翻訳による)。「非常に正確な砲弾による爆撃とドローン攻撃により、我々の拠点を襲撃しようとした戦車5両および歩兵戦闘車5両は焼き尽くされた」

1日で戦車30両失う

この攻撃の模様を収めた動画は、ウクライナの軍事ブロガー、ウクラニアン・フロントのXアカウントでも共有された。

ウクライナ軍が発表したデータによると、5月13日のロシア側の1日あたり死者数は、ロシアによるウクライナ侵攻開始以来、最大になった。発表までの24時間で1700人以上が死亡したという。ウクライナ政府側の集計によると、ロシア軍はこれに加えて戦車30両以上と装甲車42両を1日間で失った。

ここ数カ月におけるロシアの作戦は、ウクライナ東部に集中している。ウクライナが明らかにしたところによると、5月10日には、ロシアがウクライナ北東部のハルキウ州で新たな攻勢を開始した。

ウクライナ側は、同州の国境地帯に予備兵を派遣。11日にはロシア国防省が、国境地帯にある複数の村を手中に収めたと発表した。ウクライナの政府当局者は、ロシアの爆撃は、国境近くにある町ボルチャンスクで集中的に行われており、ハルキウ州に住む約6000人の住民が避難したと述べた。

(翻訳:ガリレオ)

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

スウェーデン、バルト海の通信ケーブル破壊の疑いで捜

ワールド

トランプ減税抜きの予算決議案、米上院が未明に可決

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、2月50.2で変わらず 需要低

ビジネス

英企業、人件費増にらみ雇用削減加速 輸出受注1年ぶ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 5
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 6
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中