イスラエル国民、初のイラン直接攻撃に動揺 戦火拡大を懸念
イスラエルに対する宿敵イランの初の直接攻撃はイスラエル国民を震え上がらせ、戦火が拡大するとの懸念が広がった。写真は14日、テルアビブで撮影(2024年 ロイター/Hannah McKay)
イスラエルに対する宿敵イランの初の直接攻撃はイスラエル国民を震え上がらせ、戦火が拡大するとの懸念が広がった。
イスラエル国内では、イランが支援するイスラム組織ハマスによる攻撃を受けて空襲警報が鳴り響くことは以前からよくあったが、13日夜にイランがイスラエルに多数の無人機(ドローン)やミサイルを発射したことは、中東の対立構図に新たな不安要素をもたらした。
イスラエルはイランが発射した300超のドローンやミサイルのほぼ全てを迎撃し、小規模な被害にとどめたと表明した。
ただ、被害は小さくても、地域大国イランと直接交戦した経験のないイスラエル国民の動揺は大きかった。夜間にイスラエル上空にはイランの兵器や迎撃弾が光った。
エルサレムに住むセシル・スムロウィッツさんは「夜中にブーンという音が聞こえ始めたときはかなり怖かった。それが何なのかは分かっていたが、規模が分からなかった」と話した。
「でも、イスラエル軍が切り抜けてくれたおかげで今のところ静かだし、この状態が続くことを願っている」とした。
イランは、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺に対する今月初めの攻撃に報復したとしている。
<イスラエルの反撃けん制>
イランは14日、イスラエルに対し前日実施した攻撃に同国が報復すれば、さらに大規模な攻撃に踏み切ると警告した。また、イランに対するイスラエルの軍事行動を米国が支援すれば、米軍基地が標的になるとけん制した。
イスラエルのネタニヤフ首相は同国にとってイランが現実的な脅威になっていると繰り返し国際社会に訴えてきた。イランが発射したドローンとミサイルをほぼ全て撃墜したと国軍が発表したことを受け、勝利を収めると表明した。
エルサレム郊外に住むジェレミー・スミスさん(60)は「大きな戦争にならないことを強く願っている。イスラエル国民は誰も大きな戦争を望んでいない。イランの攻撃がこれで終わることを願う」と話す。
それでもなお「国全体がミサイルとドローンに覆われたのだからイスラエルは対応するだろう。これは仕方がない。しかし、どうにかして歯止めをかける必要がある」と述べた。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら