イスラエル軍が占領していたガザ病院敷地で「集団墓地」と300人以上の遺体を発見
US Speaks Out About 'Mass Grave' Found in Gaza
ガザ南部ハンユニスのナセル病院の敷地で発見された集団墓地と遺体の一部(4月22日) Arab World Press via Reuters Connect
<イスラエル軍撤退後のガザ地区の病院の敷地に、300人以上の遺体が埋められていることがわかった。パレスチナ当局は、イスラエル軍による住民の処刑だと主張するが、イスラエル側は人質の確認だったと説明している>
パレスチナ自治区ガザにある病院の敷地内で「集団墓地」が発見され、300体以上の遺体が発見された、とガザ当局が発表した。この件について、アメリカはイスラエルにさらなる調査と回答を求めている。
ガザ地区の民間防衛局は22日、南部のハンユニスにあるナセル病院の複合施設内で、イスラエル軍に殺害され、埋められた人々の遺体を医療従事者が発見した、と発表した。イスラエル軍は今年2月中旬にこの病院に突入して占領。ハマスの戦闘員を拘束し、イスラエル人人質を捜索した後、4月上旬に撤退していた。
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民間防衛局長のヤメン・アブ・スレイマン大佐は、23日に35人の遺体が発見され、遺体の数は合計で310人になった、とCNNに語った。
スレイマンは、手足を縛られた状態で発見された遺体もあったと主張。「現場で処刑された形跡があった。生き埋めにされたのか、処刑されたのかはわからない」と付け加えた。
イスラエル国防軍(IDF)の広報担当者は本誌に対し、ガザ民間防衛局の主張は「事実無根、まったく根拠がない」と語った。
国防軍は、ハンユニスに侵攻した際、「人質や行方不明者の捜索活動の一環として、パレスチナ人がナセル病院の敷地内に埋めた遺体を調査した」という。
「調査は死者の尊厳を保ちながら丁重に行われた。遺体は、イスラエル人人質のものではなく、元の場所に戻された」と、広報担当者は23日に本誌に語った。
イスラエル側に調査を要請
イスラエル国防軍は、ナセル病院周辺でハマス関係者のみを標的にした作戦を実施し、「病院にいたテロリスト約200人を逮捕、イスラエル人の人質のために使われるはずだった医薬品を未配達、未使用の状態で発見した。大量の弾薬も押収した」と述べた。
「この捜索活動は、病院や患者、医療スタッフに危害を加えることなく、標的を絞って行った」と国防軍は付け加えた。
米国務省のマシュー・ミラー報道官は、22日の記者会見でガザの民間防衛局の主張についてコメントを求められたが、この時点では、180人分の遺体しか発見されていなかった。
「パレスチナの民間防衛局が、女性、男性、子供を含む180人が埋葬された集団墓地を発見した。この情報を知っているか、またそれについてのコメントは?」という記者の質問に対し、ミラーは「その報告は受けている。現在、イスラエル政府に問い合わせているところだ」と、答えた。
追加質問で、アメリカは「イスラエルにこの問題についてさらに調査を進めるよう圧力をかけるのか」と尋ねられたミラーは、「まさにそのとおり」と答えた。
イスラエル軍は、ハマスが病院など医療施設を司令部として使用し、人質を拘束していると非難しているが、ハマス側はこれを否定している。
世界保健機関(WHO)は4月6日、ガザ地区最大の病院であるアル・シファ病院がイスラエル軍に包囲され、灰燼に帰したと発表した。