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日本社会

時給分布から見える、フリーランスの悲惨な労働実態

2024年3月27日(水)11時00分
舞田敏彦(教育社会学者)

性別のデータを出すと、男性より女性の分布が下に偏っている。フリーランスでは、それが特に顕著だ。男性フリーランス89万人、女性フリーランス26万人の時給分布を出し、ヒストグラムのグラフにすると<図1>のようになる。フリーランスの時給ピラミッドだ。

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分布の棒を男女で塗り分けると、女性では時給の最下層が多いのが分かる。およそ3人に1人が、時給500円未満で仕事をしている。

報酬の不当な減額、さらには不払いなどもあるだろう。時給500円未満が最多。まったくもって目も当てられない。その一方で高収入の人もいて、フリーランスでは「上」と「下」に割れている度合いが高いのも特徴と言える。

これからは、組織に属さない「個」の働き方が増えてくる。今のままではいけないと、フリーランス保護法なるものもできているが、2022年の実態はこうだ。文書での発注義務、一方的な報酬減額禁止など、法律の順守を徹底させないといけない。フリーランスの待遇改善なしに、文化立国の未来はない。

<資料:総務省『就業構造基本調査』(2022年)

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