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プーチンがナワリヌイの次に「餌食」とする反体制派の指導者は誰か?

2024年3月12日(火)17時01分
エイミー・マッキノン(フォーリン・ポリシー誌記者)

23年には、ロシアとイギリスの国籍を持つジャーナリストで反体制派指導者のウラジーミル・カラムルザがウクライナ戦争を批判したことを理由に25年の実刑を言い渡された。

ナワリヌイが死亡した今、カラムルザは、ロシアの刑務所に収監されている最も著名な反体制派活動家だ。

「次はカラムルザだと思う。彼はプーチンの標的リストの非常に上位にある」と、アメリカに拠点を置く非営利団体の「自由ロシア財団」の理事長で、カラムルザの友人でもあるナタリア・アルノは言う。

カラムルザは過去に2度にわたり毒殺未遂で命を落としかけたことがあり、ロシアの刑務所の劣悪な医療体制を考えると、健康状態への不安はひときわ大きい。

一方、あまり知られていないが、ロシアの政治犯の中には宗教上の理由で収監されている人物が非常に多い。

その割合は、メモリアルによれば全体の3分の2近いという。03年に非合法化されたイスラム主義国際政治組織「ヒズブ・タフリール」のメンバーも大勢収監されている。

17年に「過激派団体」に指定された「エホバの証人」も厳しい取り締まりの対象になっている。17年以降に受けた強制捜査の回数は2000回以上、刑事告発された人数は794人に上ると、アメリカで同教団の広報担当を務めるジャロッド・ロペスは言う。

「ロシア政府が宗教弾圧の手を緩める兆しはない」と、ロペスは語る。

「それどころか、最近は激しくなる一方だ」

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