中国海警局がフィリピン船に放水銃発射や衝突攻撃、南シナ海でエスカレートする妨害行為
Videos Show China's Water Cannon Attacks on US Ally
フィリピン政府は、同国の沿岸警備隊の巡視船は「外面の構造に損害」を受けたと主張し、前述の補給船は、放水銃による攻撃を受けたのち、他船の護衛のもとで港に帰還したと述べた。
フィリピン政府の国家安全保障会議は、被害を受けた補給船の乗組員のうち少なくとも4名が、放水銃による攻撃で負傷したと述べている。
スタンフォード大学の傘下にあるシーライト・プロジェクトの責任者を務めるレイ・パウエルは5日朝、ソーシャルメディア上に、中国の政府機関である中国海警局に加えて、中国の「海上民兵」も、セカンド・トーマス礁付近での存在が確認されていると投稿した。
「1平方インチも譲らない」
パウエルは、船舶の位置情報データに基づく画像を投稿し、こうした海上民兵の船が、フィリピンの沿岸警備隊の船に「群がっている」様子を示した。
5日に起きた衝突は、2月に行われた前回のセカンド・トーマス礁への補給とは著しい対照を成している。このときは、中国側からの妨害を受けることはなかった。
フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は4日、オーストラリアのメルボルンで開催された、ローウィー研究所が主催するイベントの席上で、「我々はルールに基づく国際秩序を維持し、守り、支持する国際的な取り組みの最前線に立っている。これは、第二次大戦後のアジア諸国に経済的な奇跡をもたらす礎となったものであり、オーストラリアなどの国々が繁栄を続けるよりどころでもある」と述べた。
メルボルンでは現在、フィリピンを含む東南アジア10カ国が加盟するASEANとの、特別首脳会議が開催されている。
マルコスは、2月29日に開催されたオーストラリア議会での演説において、強大な隣国である中国との対立について間接的な形ながら言及し、フィリピンの領土を「1平方インチ」たりとも他国に譲るつもりはないと言明した。
(翻訳:ガリレオ)