最新記事
ウクライナ戦争

ウクライナのドローンがロシアの戦車を撃破...退避してきた別の車両も破壊...2分の映像がネットで話題

Video Shows Moment Ukrainian Drone Destroys Russian Tanks

2024年2月5日(月)15時00分
ブレンダン・コール
(写真はイメージです) Timofey_Kormilizyn-Shutterstock

(写真はイメージです) Timofey_Kormilizyn-Shutterstock

<約2分間の映像が捉えた国家警備隊・ドローン操縦部隊の技巧>

ウクライナ軍がロシア軍の戦車をドローンで攻撃して破壊する瞬間の映像を公開し、ネットで注目を集めている。

【動画】ウクライナのドローンがロシアの戦車を撃破...退避してきた別の車両も破壊...2分の映像がネットで話題

映像はウクライナ国防省が1月26日、X(旧ツイッター)に投稿。「国家警備隊の熟練ドローン操縦部隊が、まずロシアの戦車を撃破し、続いて退避してきた別の戦車を破壊した」としている。映像は約2分間。撮影場所は明らかにしていない。

オープンソース情報を使って双方の損失を集計している軍事情報サイト、オリックス(Oryx)の最新集計によると、戦争が始まってからの1年11カ月の間に、ロシア軍はT-80戦車736両を失い、戦車合計で2666両を失った。ウクライナ軍が推定するロシアの損失はOryxの集計をはるかに上回っており、1月27日の時点で6271両となっている。本誌はこうした数字について検証できていない。

映像は未検証で、本誌はこれについて27日に電子メールでロシア国防省に問い合わせた。この映像は、続く場面とは無関係と思われるT-80戦車のカラー画像で始まっている。

冒頭に映るのは、幹線道路を走行する戦車2両を、追跡中と思われるドローンの視点からとらえた画面。先頭を走る戦車にミサイルが命中し、爆発が起きる。

ウクライナ語の字幕によれば「運転席に着弾し、車両は制御不能となった」。戦車は右方向へそれ、土手と思われる自然障害物に衝突して止まった。

1人の兵士が戦車の左側から飛び出して走り去る姿が見える。戦車はもう1発の爆弾を投下され、炎に包まれた。「車内で火災」の字幕が流れる。

別の場面は、冒頭に映っていたもう1台と思われる戦車にミサイルを投下する様子をとらえている。3回の爆発後、画面は暗転した。この映像の再生数は27日の時点で15万5000回を超えている。

ウクライナ軍は過去にも、アメリカから供与されたブラッドレー歩兵戦闘車がロシアの戦車に与えた影響を誇示してきた。これにはロシアの最新鋭戦車T-90Mも含まれる。

ウクライナ国防省は1月に、ブラッドレーがロシアのT-90M戦車を25ミリ機関砲で攻撃した場面と思われる映像をXに掲載していた。オープンソース情報調査機関によると、この映像はドネツク州アウディーイウカ北西部のステポベ近郊で活動するウクライナの第47機械化旅団のものとされる。

ウクライナのテレビ局が放送したブラッドレーの乗員2人のインタビューの中で、1人は「全力で」砲撃したと振り返った。

アウディーイウカではウクライナ軍とロシア軍の攻防が続く。アメリカの独立系シンクタンク戦争研究所(ISW)は26日、陣地戦が続く中、ロシア軍がアウディーイウカ近郊でわずかに前進したと伝えた。

(翻訳:鈴木聖子)

※ウクライナ軍が推定するロシア側の損失について訂正しました(2月7日10時00分)。

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中