プーチンに「行列は好きじゃない」と言うゼレンスキー 風刺で分かるウクライナ侵攻2年
一方、ロシア軍の戦車は、T-72やT-90など。T-72は被弾すると搭載している弾薬が誘爆を引き起こし、砲塔が高く吹き飛ぶため、「ビックリ箱」なる屈辱的な渾名を冠されている。
●農村
ウクライナ東部のとある村。村長が言った。
「我が村は、今や世界で4番目の戦車保有数を誇る」
●戦車大隊
問い・ウクライナからロシアに帰還した戦車大隊のことを何と呼ぶ?
答え・歩兵小隊
プーチンの未来は?
終わりの見えないロシア・ウクライナ戦争。プーチンとしては、
(こんなはずではなかった)
というのが正直なところか。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、もともとはコメディアンであり、「局部でピアノを弾いているように見せるコント」といった際どい下ネタまで披露していた人物だったが、開戦後はすっかり「戦時大統領」に。一方、プーチンは今や「ジョーク界の主役」である。
すなわち、ロシアによるウクライナ侵略は、一人のコメディアンを消し、一人のコメディアンを生んだ。
もちろん、プーチンを単にコメディアンと言い切ってしまえば、世界中のコメディアンに悪い。
●墓
プーチンがゼレンスキーに電話で言った。
「もし私が死んだら、あなたは私の墓に小便をかけにくるだろうね」
ゼレンスキーが答えた。
「いや、そんなことはしませんよ」
プーチンが驚いて聞いた。
「なぜ?」
ゼレンスキーが答えた。
「行列に並ぶのは好きじゃないんだ」
神出鬼没の世界的アーティストであるバンクシーはウクライナを訪れて、瓦礫の壁に作品を描いている。小さな子どもが柔道着を着た大人を投げ飛ばしている絵である。子どもはウクライナ、大人は柔道家であるプーチンを表していると思われる。
国際柔道連盟の名誉会長職にもあったプーチンだが、今回の侵攻の結果、その職は停止の処分に。柔道界をも敵に回したのである。
プーチンが挑んだこのたびの戦争、その行方はいかに。「一本勝ち」とはいきそうにない。
●1年後の世界
クレムリンが空爆され、プーチンは意識を失った。意識が戻ったのは、実に1年後のことであった。
体調の回復したプーチンは、モスクワの様子を確認しようと、変装して街に出た。プーチンはバーに入り、バーテンダーにさりげなく聞いた。
「クリミアは私たちのものですか?」
「ええ、もちろん」
「ドンバスは?」
「無論、私たちのものですよ」
プーチンは安心して笑みを浮かべた。満足したプーチンはウォッカを飲み干し、バーテンダーに聞いた。
「いくらになるかね?」
バーテンダーが言った。
「10ユーロになります」
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