最新記事
ウクライナ戦争

飛来するロシア軍のドローン「シャヘド」の大群を、ウクライナ防空システムが次々に撃墜する映像

Dramatic video shows Russia's Shaheds shot down by Ukraine

2024年1月7日(日)13時00分
エリー・クック
ロシア軍のドローン「シャヘド」

ウクライナで撃墜されたシャヘド136と見られる機体(2022年10月) Vyacheslav Madiyevskyy-Reuters

<ロシア軍にとって自爆型ドローン「シャヘド」は、ウクライナを攻撃する安価で効果的な手段となっている>

ロシアからウクライナ南部に飛来した大量のドローンを、ウクライナ軍の防空システムが撃墜する様子を捉えたとされる動画が公開された。撃墜されたドローンはロシア軍が保有する自爆型ドローン「シャヘド」で、これまでにも繰り返しウクライナへの空爆に使用されてきたものだ。

■【動画】ロシアから記録的な数の「ドローンの大群」が襲来...ウクライナ防空システムが次々「撃墜」する映像

ウクライナ空軍司令官のミコラ・オレシチュク中将が1月2日にインターネット上に投稿した短い動画は、ウクライナの防空システムが飛来するシャヘドを撃墜する様子を捉えたらしい複数の切り抜き映像で構成されている。オレシチュクによれば、動画はウクライナ南部で撮影された(場所は非公表)ということだ。

ロシアは2022年2月にウクライナへの本格侵攻を開始して以降、イランが設計した自爆型ドローン「シャヘド」を使ってウクライナ国内の標的に対する容赦ない攻撃を行ってきた。標的に接近して自爆するドローンは、ロシア軍にとってウクライナの各都市や主要なエネルギーインフラを攻撃する上での「安価かつ効果的」な手段だ。

ウクライナの防空システムはこれまでにも、こうしたドローンを高い成功率で撃墜してきたが、ドローンは検知されずに接近してくることも多い。

年末には年越しの一斉攻撃で90機が襲来

こうしたなか1月2日、ウクライナ軍は空軍の防空システムが夜間に35機のシャヘドを撃墜したと発表した。これらのドローンは、ロシアの支配下にあるクリミア半島とロシア南部のクラスノダールから飛来したものだという。

この前日(1日)にウクライナは、ロシア軍が年越しの一斉攻撃で「記録的な数」のシャヘドでウクライナを攻撃してきたと述べた。ロシア側はロシア南部とクリミアの4カ所から計90機のシャヘドを打ち上げ、さらに大量のミサイルも発射。ウクライナ政府によれば、ウクライナ軍はこのうち87機のシャヘドを破壊した。

さらに1日、ウクライナ空軍の発表によれば、ロシア軍は現地時間の午後2時頃にもさらに10機のシャヘドを使った攻撃を仕掛けてきたという。

ロシア軍は2023年12月31日には49機のシャヘドを使った攻撃を仕掛け、ウクライナはこのうち21機を迎撃したとしている。ドローンは主にウクライナ南部のヘルソン、ミコライウやザポリージャを標的としたが、ハルキウにも襲来したということだ。ウクライナ軍は2023年12月、ロシアは「ウクライナを毎日、異なる方向から攻撃する」のに十分な数のシャヘドを保有していると警告していた。

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中