「10億ドルの鉄壁」が破られた、アメリカがハマスの奇襲成功から学ぶべきハイテクの欠陥
DISASTER AT THE BORDER
コロラド大学のボイドによれば、兵力は今も究極の武器であり、戦争や防衛の成功は大部分、兵力の投入量で決まる。
10月7日の惨劇が多数の犠牲者を出した理由を突き詰めて考えれば、イスラエルに侵入したハマス戦闘員の数の多さに行き着く。
その意味で、米軍の約3倍という北朝鮮軍の兵力は無視できない数字だ。
「もし北朝鮮が韓国に侵攻したら、アメリカの支援があっても防御側は数の力で圧倒される可能性が高い」と、ボイドは言う。
兵力の動員については、アメリカとイスラエルやその他の同盟国の多くは、ある種の弱点を抱えている。敵対勢力の多くに比べ、犠牲者を出すことへの耐性が低いという点だ。
10月7日の惨劇直後はほとんど言及されなかったが、当日の戦闘で殺されたハマス戦闘員の数(約1500人)はイスラエル側より多かった。
だがイスラエルが死を嘆き悲しむ一方で、ハマスは祝福した。
「相手が多くの人的損害を出す覚悟で来る場合、こちらはテクノロジーへの依存度が高くなる」と、ボイドは言う。
「今のアメリカでは、そのほうが政治的に受け入れ可能だからだ」
ハイテク防衛への過度の依存が招いた10月7日の惨劇は、イスラエルや他の国々にとって極めて重要な教訓になるだろうと、IDSFのクーパーバッサーは言う。
「問題はその代償が大きすぎることだ」
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