シーク教徒暗殺未遂が米印関係に落とす影
それに、アメリカも過去に似たようなことに手を染めてきたことは周知の事実だ。20世紀の冷戦時代には、他国の領内で外国指導者の暗殺計画をたびたび実行していた。オバマ政権時代の2011年にも、01年の9.11同時多発テロを実行した国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンを潜伏先のパキスタンで暗殺している。
つまり、今回の問題でアメリカ側がインド政府を厳しく批判すれば、批判が自国に跳ね返ってきかねない。アメリカ政府は、インド側に静かに懸念を伝えて、対応を求めるのが賢明と言えそうだ。
一方、インド政府も、アメリカの過去の暗殺計画を声高に批判することはしていない。この20年ほど、米印関係は目を見張るほど良好になり、今や両国はインド太平洋地域での安全保障上のパートナーになっている。インド政府としても、アメリカとの関係悪化は避けたいのだろう。
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