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「2024年のインド」とモディ首相を読み解く4つのキーワード

2023年12月21日(木)11時00分
グレン・カール(本誌コラムニスト、元CIA工作員)

ネオファシズム的な側面も

6月、訪米中のモディはアメリカの記者からインド国内の人権問題に関する質問を受けた。するとインド政府関係者らがこの記者を激しく攻撃し、ネットでも記者への中傷が飛び交った。中傷のひどさは、ホワイトハウスの報道官が「民主主義の原則に対する非倫理的な」攻撃だと記者をかばったほどだ。だがインドのメディアは今後も、極端に愛国主義的な論調を掲げ、モディを問い詰めることもなく政権の応援団であり続けるだろう。

2024年、モディはイスラム教徒や一部に分離独立運動もあるシーク教徒にとって不利な内政政策を推し進めるだろう。メディアに対しては、BPJのヒンドゥー至上主義政策を批判する気が起きない(つまりそんなことをすれば罰せられかねない)ような政策を取り続ける。

民族や宗教に基づくナショナリストは常にそうだが、モディとBPJには非常に権威主義的で、ネオファシズム的とさえ言える側面がある。これは今後も変わらず、宗教的少数派にとって厳しい時代が続く。一方で規制緩和と経済成長を背景に、モディは国民の強い支持を勝ち取り続けるとみられる。

外交面では、モディは2024年も世界に向けてインドの利害を主張していく。それも、インド史上過去に例がないほどに。中国との力のバランスを保つため、インドは今後もアメリカや日本との戦略的関係、特に軍事的な関係を深めていくだろう。一方でインドは「グローバルサウス」の擁護者であり続ける。

インド経済と国際経済との一体化が進むなかで、インドにとって自由で公正な貿易ルールの重要性は高まっていく。モディ率いるインドは、世界の貿易システムを形成し、それを守るために、今よりもさらに積極産が占めている。

モディ率いるインドの2024年の動きは、国内では時に驚くほどナショナリスティックで、権威主義的なものになるだろう。国際社会では必ずしもスマートとは言えない動きに出ることもあるだろう。その一方で欧米と手を組むことも増え、インドは世界の大国に肩を並べたと自負するようになる。

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