「開き直り」ネタニヤフは、なぜ一時休戦を受け入れたのか?...「犬猿の仲」バイデンと「仲直りハグ」した裏事情

What Happens Now?

2023年11月28日(火)13時53分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

まずは希望。アラブ圏でもスンニ派の諸国はおおむね、既にイスラエルと良好な関係にある。共通の敵であるシーア派のイラン(とその配下の武装勢力)に対抗するためだ。

10月7日の時点では、スンニ派の領袖サウジアラビアもイスラエルとの「関係正常化」に向かっていた。それを阻止し、パレスチナの問題に再び世界の目を向けさせたい。あの日のテロ攻撃の背景には、そんな思惑もあったのだろう。

サウジを含むアラブ諸国の大半はイスラエルとの関係正常化を続けたいが、ガザが血に染まっている限り、簡単には動けない(どこでもそうだが、国民の多くはその指導者よりもパレスチナ人に同情的だ)。だから、ともかく流血を終わらせたい。

だが和解に向けたほとんどの対話は失敗に終わってきた。それが1948年のイスラエル建国以来の歴史だ。エジプトやヨルダンは数少ない成功例だが、その他は本格的な交渉に至る前に頓挫している。

一定の信頼関係がなければ、人は警戒を解いて共存の道を探ろうとしないものだ。しかしハマスがテロ攻撃を仕掛け、その何倍もの規模でイスラエルが報復に出た以上、今は誰も信頼を口にしない。だから力で敵を封じ込め、懲りずに小競り合いを繰り返す。

当分はこの状況が続くのだろう──たとえ現在の戦火が鎮まったとしても。

©2023 The Slate Group

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