窮地の与党が頼るのは、全羅道育ちの「青い目の韓国人」医師...若手造反を食い止める「特効薬」になるのか?
To Heal Ruling Party Rifts
彼はさらに「国民の怒り」をかき立てている要因を挙げた。
尹が知人を政府の要職に任命する前に審査をしなかったこと、海兵隊員を死なせたとして軍幹部を起訴しようとした大佐に軍が汚名を着せたこと、韓国の反植民地主義の遺産を犠牲にして保守的なイデオロギーを推進するために政権が歴史を歪曲したこと、教育や科学の問題に対する政府の軽率な方策などだ。
李は言及しなかったが、悲劇的な梨泰院(イテウォン)の雑踏事故に対する政府のお粗末で無慈悲な対応や、報道の自由に対する抑圧も国民の疲弊に拍車をかけている。
「尹大統領の国民の力は失敗だ」と李は明言した。
李は最近、新党を結成したいと公言している。それは国民の力にとって最悪のシナリオだ。李が新党を設立して、24年の総選挙で国民の力と競うことになれば、保守票が分裂し、既に議会の多数を占めている共に民主党の地滑り的勝利が予想される。
李の新党は中道右派に接近し、共に民主党の穏健派議員や同党の李在明(イ・ジェミョン)代表に失望した有権者を取り込む可能性もある。その場合も、李の支持層が離れることで最も不利益を被るのは国民の力だ。
李に送ったラブコール
国民の力は今、差し迫った状況にあり、李に和解を申し出る役を引き受けたのが印だ。11月2日、印は李の党員資格停止処分を取り消し、「先生」として政治的な教えを請いたいと李にラブコールを送った。
印が李を国民の力に呼び戻そうとしていることは、党が李の処分を後悔していることの表れだ。ただ、党幹部はそうした働きかけはしておらず、「友好の精神は尊重されるべきだ」と述べるにとどまっている。
一方の李は、党に対して懐疑的だ。11月4日、釜山で開かれた李主催の懇親会に印がサプライズで登場すると、李は印の韓国人らしからぬ外見から、英語で彼に話し始めた。