世界で暗躍する「中国・秘密警察署」に実はこっそり協力していたカナダ...見返りは何だったのか?
2023年10月30日(月)13時00分
トルドー首相はどう弁明するのか KENA BETANCUR/GETTY IMAGES
<中国の海外「秘密警察」を非難していたトルドー首相。しかし、カナダ政府高官の指示で実は逃亡者の身柄確保に協力していたという告発が...>
互いの外交官を国外退去処分にするなど緊迫した関係が続く中国とカナダ。
だがカナダ国営放送(CBC)の調査報道番組『フィフス・エステート』は10月20日の放送で、カナダ政府が対中貿易などで便宜を受ける見返りとして、中国当局による国外逃亡者の身柄確保を長年、ひそかにサポートしてきたと告発。人権団体などから批判が噴出している。
カナダ国境サービス庁によれば、2008~22年に他国での「犯罪または重大な犯罪行為」を理由にカナダから強制退去させられた中国人は33人。
カナダ連邦警察の元捜査官は番組で、「著名な逃亡者」を追う中国の担当者に協力するよう政府の最上層部から指示されたと証言している。
中国に身柄を引き渡せば処刑を含む非人道的な扱いが待ち受けることは容易に予想できる。にもかかわらず、カナダが協力を続けてきたのは中国市場へのアクセスというエサのためだと、専門家は指摘している。