最新記事
野生生物

ヘビがヘビを「丸のみ」...衝撃の「共食い」シーンが激写される

Cannibalistic snake devours fellow black-headed python alive

2023年10月20日(金)19時50分
ロビン・ホワイト
ズグロニシキヘビ

ズグロニシキヘビ reptiles4all-Shutterstock

<ズグロニシキヘビがズグロニシキヘビを生きたまま丸のみするという衝撃の瞬間を目撃>

ヘビが同じ種の別のヘビを生きたまま丸のみする様子が撮影された。

【画像】ヘビがヘビを丸のみ...衝撃の「共食い」シーンが激写される

非営利の野生動物管理委員会(AWC)によれば、保護区の責任者を務めるニック・ストックが最近起きた放火事件についての確認作業を行っていたところ、この奇妙な光景に出くわしたということだ。

ストックがヘビを目撃したのは、保護区の南側にあるアーチャー川の川岸だった。最初に見えたのは、オーストラリアの固有種で頭部が真っ黒なことで知られる「ズグロニシキヘビ」の頭だった。このヘビはもう一匹の別のヘビに体を巻きつけていたが、ストックはヘビに近づいてみて初めて、もう一匹のヘビも同じズグロニシキヘビであることに気づいたという。

「最初は驚いたが、こんな場面を目撃できたのは本当に幸運だった」とストックはプレスリリースの中で述べ、さらにこう続けた。

「以前にズグロニシキヘビがイースタンブラウンスネークやヒャクメオオトカゲを食べているところは見たことがあったが、ズグロニシキヘビがズグロニシキヘビを食べているところを見たのは初めてだった」

ストックはその様子を何枚かの写真におさめた。

写真には、中央のズグロニシキヘビが自分よりも体の小さなヘビを丸呑みしている様子が捉えられている。丸呑みされているヘビは、まだ生きているように見える。

約15分で「食事」は終了

「丸呑みされているヘビにとってはそうでもなかったと思うが、私にとっては幸運なことに、片方のヘビがもう一匹のヘビに巻きついてから『食事』を終え、約3メートル先の巣穴に戻るまでに15分ほどかかった。だからカメラを取り出し、この出来事を記録する十分な時間があった」とストックは述べた。

ズグロニシキヘビはほかのニシキヘビと同様に毒を持たず、獲物の体に巻きついて相手を窒息させた後に丸呑みする。

ヘビの共食いは前例がない訳ではない。体の大きなヘビの多くは、自分よりも体の小さいヘビを食べることがある。ヘビが自分と同じ種のヘビを食べるのはあまり一般的ではないものの、過去に複数の例が報告されている。

だがその光景が写真や映像に捉えられることは滅多にない。

AWCの野生動物生態学者であるヘレナ・ストークスは、飼育下にある環境では共食いの例が報告されたことがあるが、野生のヘビの共食いを目撃できるのは、かなりの幸運だと語った。

ストークスはプレスリリースの中で、「この種のヘビによる共食いは飼育下の環境で目撃されたことがあり、野生のヘビについても報告はあるが、野生のヘビの共食いを捉えた写真や映像を入手できることは滅多になく幸運だ」と述べ、さらにこう続けた。

不動産投資
インフレが進むいま、「投資用不動産」という選択肢に注目が集まる理由とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:国連IPCがスーダン飢餓拡大に警告、24

ワールド

プーチン氏、旅客機墜落でアリエフ大統領に謝罪 防空

ワールド

米債務上限、来年1月半ばにも到達 議会は行動を=財

ワールド

トランプ氏、最高裁にTikTok規制発効の延期求め
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ヨルダン皇太子一家の「グリーティングカード流出」が話題に...「イマン王女が可愛すぎる」とファン熱狂
  • 2
    流石にこれは「非常識」?...夜間フライト中に乗客が撮影した「ある写真」にSNSでは議論白熱 どちらが正しい?
  • 3
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリスマストイが「誇り高く立っている」と話題
  • 4
    イースター島で見つかった1億6500万年前の「タイムカ…
  • 5
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「弾薬庫で火災と爆発」ロシア最大の軍事演習場を複…
  • 8
    スターバックスのレシートが示す現実...たった3年で…
  • 9
    水面には「膨れ上がった腹」...自身の倍はあろう「超…
  • 10
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3個分の軍艦島での「荒くれた心身を癒す」スナックに遊郭も
  • 4
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 5
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 6
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 9
    ヨルダン皇太子一家の「グリーティングカード流出」…
  • 10
    なぜ「大腸がん」が若年層で増加しているのか...「健…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 8
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中