福島原発と韓国の反応......日本製品の人気は不動のまま?
日本書籍も人気だ。大韓出版文化協会の発表によると、昨年、韓国で翻訳出版された書籍1万472点の4割に相当する4138点が日本書籍で、2位の米国書籍2957点と3位の英国書籍919点を合わせた数より多かった。今年9月に翻訳出版された村上春樹の『街とその不確かな壁』は、発売以来4週続けてベストセラー1位となった。
韓国の航空各社の日本路線拡充
航空各社は日本路線の再開と拡充に力を入れる。大韓航空は新型コロナウイルス感染症の影響で休止していた仁川発-鹿児島線と岡山線、新潟線の運航を再開し、仁川と成田、関西、名古屋、福岡を結ぶ各路線を増便する。アシアナ航空も仁川-仙台線を増便するほか、格安航空会社(LCC)各社も地方路線を再開し、主要路線を増便する。韓国人の訪日需要に対応するためである。
政府観光局(JNTO )に推計によると1月から8月の訪日韓国人は432万4400人。韓国人の7人の1人に相当する714万人が日本を訪れた2017年に迫る勢いだ。2017年の同期間の訪日韓国人は466万230人だった。
日本ブームの背景に韓国の物価高騰と円安がある。韓国で日本ブランドは高品質、高価格と認知されている。文在寅前政権の最低賃金上昇に起因する人件費高騰とコロナ禍の影響からあらゆる韓国製品の価格が高騰、相対的に日本製品が割安となっている。
旅行も同様だ。国内旅行費が高騰し、訪日観光が割安となっている。また、ある訪日韓国人旅行者は「韓国の有名観光地は(価格高騰に加えて)ぼったくりもある。その点、日本は費用がかからないし、対応も良い」と話す。
原発処理水の反対決議案を提案した野党「共に民主党」の議員が本会議場で北海道ゴルフ旅行の相談をしていたことが明らかになっている。また、旧暦の盆に相当する秋夕の連休には、同じく福島原発の処理水の海洋放出反対を叫んでいた野党議員が東京観光を楽しむ姿が目撃された。「共に民主党」を離党して無所属となった金南局(キム・ナムグク)議員が、バックパックを背負って「銀座三越」や和光ビルの時計塔をスマートフォンで撮影していたという。
反対運動と日本人気の二面性
ノージャパン運動が拡がったとき、反日デモの打ち上げを日本式居酒屋で行なって「昼は反日、夜はアサヒビール」と揶揄されたが、同じようなことが福島原発処理水の海洋放出でも起きている。日本好きから反日派まで、こぞって日本ビールや日本旅行を楽しんでいる。