トランプら共和党の大統領選候補がメキシコ麻薬組織への軍事攻撃提案 米国への報復招く可能性も
実際のところ、かなりの量のフェンタニルは合法的な国境越えで米国人によって密輸されており、密輸業者に対する殺傷力の行使は政治的に受け入れ難く、ほぼ間違いなく違法だ。
米軍の報道官は「仮定の話」にコメントできないと述べた。
世論調査では52%がメキシコ派兵を支持
トランプ氏は大統領任期の最終年にメキシコへの軍事攻撃を提案。トランプ政権で2代目の国防長官を務めたマーク・エスパー氏の回顧録によると、トランプ氏は20年に少なくとも2回、「麻薬製造所を破壊するためにメキシコにミサイルを撃ち込む」ことができるか尋ねたという。
エスパー氏は、それは違法で戦争行為だと答えたと記している。
しかし、共和党のストラテジストによれば、フェンタニルの蔓延が深刻化する中、党の指名獲得を争う候補者から軍事行動を求める声が強まった。
ヘイリー氏は今月、ロイターとのインタビューで「われわれは待つつもりはない。これ以上の米国民を死なせるわけにはいかない」と述べた。
最近のロイター/イプソス世論調査では、回答者の52%が「麻薬カルテルと戦うためにメキシコに米軍兵士を派遣すること」を支持し、26%が反対。共和党員は64%対28%の大差で支持していた。
それでも、ほとんどの共和党員を含む米国民は、メキシコ政府が承認しなければこのような行動に反対すると答えている。
複数のストラテジストもロイターに対し、共和党候補が大統領に就任しても一方的な軍事行動を取る可能性は低いとの見解を示している。
元メキシコ外務次官のセルジオ・アルコセル氏は、このような行動は「メキシコにとって受け入れがたい」と述べ、組織犯罪や移民に関する情報共有を妨げ、経済関係を損なうことになると述べた。
(取材協力:Dave Graham in Mexico City)