ファスト・ファッション業界の生み出す毎週1500万点の廃棄物がグローバルサウスを苦しめる
ノイ氏とエッスーン氏は他の衣類露天商らとともに、この6カ月間にパリとブリュッセルで欧州の指導者らと会談し、「グローバル・ファッション・アジェンダ」が運営するフォーラムに参加して、拡大生産者責任(EPR)の導入について議論した。EPRは、製品のライフサイクル全般にわたって製造元ブランドに責任をとらせる環境政策を指す。
EPRはすでにバッテリーやエレクトロニクス製品の処理管理ツールとして用いられているが、ファッションの世界での採用は遅れている。
EPRに古着のサプライチェーン組込を要求
衣料品についてEPRの体勢を整備しているのはフランスだけだが、EUではフランスの例に倣い、EU域内で操業する衣料品企業に対してEPRを義務づける計画だ。
提案されている規則案では、EUが衣料品メーカーから衣料品1点あたりの手数料を取り、EU内の社会貢献企業によるリサイクルや処分のための資金調達を支援する。
だがガーナの活動家らは、こうしたやり方ではEU加盟国だけが恩恵を被り、活気あるガーナの古着市場は蚊帳の外に置かれるという。
彼らはEUに対し、計画を修正し、手数料を直接、汚染の大部分を負担してきたカンタマント地区を中心に、ガーナを含む古着のサプライチェーンに配分するよう要求している。
ノイ氏は、そうした資金があればリサイクル工場の原資にできると語る。
また活動家らは、衣料廃棄物危機を根元から絶つべく、各ブランドが生産した点を申告し、今後5年間で生産量を40%削減することを公約することを望んでいる。
オール・ファウンデーションのリズ・リケッツ氏によれば、補償には2つのメリットがある。劣悪な廃棄品を押しつけられる露天商に対する補償を行えること、そしてこの危機によって生じた惨状をガーナが解決しやすくなることである。
「こうした汚染によって生活や健康面で影響を受け、環境を破壊されたガーナのコミュニティに対し、ファッション産業に補償を行わせるという、正しい方向への第一歩だ」とリケッツ氏は言う。
「私たちはこうした汚染に関して、現実の、エコロジカルな補償を必要としている」
(翻訳:エァクレーレン)