爆撃機を守る無数のタイヤ、ドローン攻撃に対するロシア苦肉の策
Ukraine mocks Russia on aircraft armor made of used tires
日本の領空を侵犯して自衛隊機を緊急発進させたTu-95(2013年8月22日)REUTERS/Defense Ministry of Japan/Reuters
<喜んだのはウクライナ国防省で、早速皮肉を投稿>
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ロシアの空軍基地に駐機している戦略爆撃機TU95の翼が、中古タイヤで覆われた衛星写真が話題になった。ロシア国内の基地に対するドローン攻撃が増えたため、機体を守るつもりでタイヤを置いたとみられる。
写真は9月3日にX(旧ツイッター)に投稿された。投稿したのはウクライナの予備役兵を自称する「Tatarigami_UA」で、ロシアが西部サラトフ州にあるエンゲルス空軍基地に駐機している複数のTU95の機体を中古タイヤで覆っている、と書き添えた。
ウクライナ国防省は喜んで、この写真に「戦略爆撃機を中古タイヤでドローンから守る。これがロシアのノウハウだ」というコメントを付けて再投稿した。「環境にやさしく、効果的で頼れる守りだ。(月面に衝突した)ロシアの無人月探査機『ルナ25』にもこんな防護があればよかったのに!」と皮肉った。
犯人はヘリ型ドローン?
この数カ月、ロシアの空軍基地に攻撃が増えている。8月末にはロシア北西部の空港がドローン攻撃を受け、ロシア軍の輸送機4機を含む最大7機の航空機が破壊された。ロシア政府はウクライナ側の仕業だと非難しているが、ウクライナは一連の攻撃について直接的な関与は認めていない。
ロシアの独立系メディア「ヴェルストカ」は8月末、ロシア国防省が公開済みのデータや報告書を引用して、2022年2年のウクライナ侵攻開始以降、ロシアの領土外でロシア軍の航空機24機が破壊されていると報じた。
また8月中旬にロシアのノブゴロド州にある空軍基地へのドローン攻撃で超音速長距離爆撃機TU22M3 1機が破壊された後、イギリスの情報当局は、一連のドローン攻撃はロシア国内から行われている可能性があるとの見方を示した。ロシア政府は、爆撃機を破壊したのはヘリコプター型のドローンだったと主張した。攻撃を受けた空軍基地は、ロシアとウクライナの国境から約640キロも離れている、と。
イギリス政府は、本当にヘリコプター型無人航空機による攻撃なら「ロシア領内から行われた可能性が高い」と指摘した。ロシア国外から目標に到達できるだけの航続距離はないからだ。