ウクライナ外相、反転攻勢の遅れ批判に不快感「文句言うなら自分で1cm四方でも解放してみろ」
ウクライナは、3カ月に及ぶロシア軍への反転攻勢の進展の遅さを批判する声が西側当局者から出ていることに不快感を表明した。写真は同日、ザポロジエ州の前線近くで撮影したウクライナ兵(2023年 ロイター/Oleksandr Ratushniak)
ウクライナは31日、3カ月に及ぶロシア軍への反転攻勢の進展の遅さを批判する声が西側当局者から出ていることに不快感を表明した。
米紙ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどは先週、米欧の当局者が反攻の進展状況について期待を下回っているとの見方を示唆していると報道。部隊の配置ミスなどウクライナの戦略を非難する声もあるとしていた。
ウクライナのクレバ外相は31日、欧州連合(EU)外相会議で記者団に「反攻のペースが遅いと批判することは、日々犠牲を払いながら前進し、ウクライナの領土を1キロずつ解放しているウクライナ兵の顔に唾を吐くことに等しい」と述べた。
「批判する者全員が黙り、ウクライナに来て1平方センチメートルを自ら解放してみることを勧める」と強調した。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長はCNNに対し、西側諸国がウクライナを支援しているものの、決定を下すのはウクライナだとし、信頼することが重要だと訴えた。
ウクライナ軍は先週奪還した南東部ザポロジエ州ロボティネの南でようやくロシアの主要防衛線に到達。これを突破できればこれまで通過してきた地域よりもロシア側の守りが脆弱になり、地雷が少なくなることを期待している。
ウクライナのマリャル国防次官は31日、ロボティネに近いノボポクロピフカ周辺で作戦が成功したと報告したが、詳細には言及しなかった。また、東部バフムト近郊で部隊が前進していると述べた。
ロシア領内にドローン攻撃強化
ウクライナは、ロシア領内とウクライナのロシア支配地域への無人機(ドローン)攻撃も強化している。
ロシア国防省は西部ブリャンスクの上空で新たにウクライナの無人機を破壊したと発表。
ロシア当局はこれより先、ブリャンスクで無人機を撃墜し、ロシアが2014年に一方的に併合したクリミアでウクライナの巡航ミサイルを迎撃したと発表していた。