「映画化すべき!」 たった1人のロシア兵が、ウクライナ部隊を撃退する動画...ロシアでは「英雄」を絶賛する声
Combat Footage Shows Entrenched Russian Soldier Hold Off Dozen Ukrainians
写真はイメージです DZMITRY SCHAKACHYKHIN/Shutterstock
<ウクライナの反攻の「遅れ」はゼレンスキー大統領も認めているが、そうした中でロシア兵の「奮闘」動画が注目を集めている>
苦戦の続くロシア軍にとっては、「英雄の登場」のように感じられたかもしれない。1人のロシア軍兵士が、多数のウクライナ軍兵士を相手にしながら塹壕を占拠し、敵部隊を撃退する様子を捉えたとされる映像が公開され、注目を集めている。ロシア側は、「映画化に値する」と大盛り上がりのようだ。
■【動画】たった1人のロシア兵が、ウクライナ部隊を相手に陣地を守り切り、撃退する様子
親ロシアのテレグラムチャンネル「Readovka」は9月16日、ドローンの映像を投稿し、ロシア軍の第37旅団第8機動小銃連隊の1人の兵士が、「12人のウクライナ兵」と戦っている様子だと説明した。「我が国の兵士が、手榴弾を投げつけられる中、勇敢に塹壕を守った」と同チャンネルは述べている。
映像にはドラマチックな音楽がつけられ、Redditでも共有されている。塹壕の一方には兵士の集団がおり、もう一方にロシア兵とされる兵士1人がいる。手榴弾が投げられて爆発が何度か起こり、映像の最後でウクライナ兵が逃げ去っている。
「ウクライナの武装勢力は拠点から脱出し、銃撃を止めた」とReadovkaは述べ、ロシア兵が「たった1人で敵の陣地を奪い、真の英雄であることを証明した」と主張した。さらに、「戦場の1人の戦士」を捉えたこの映像は、「映画化に値する」とまで称賛している。
この映像についてソーシャルメディアでは、ロシア兵に対する賞賛が沸き起こった一方で、なぜ彼は1人で取り残されたのかという疑問が投げかけられるなど、話題を呼んでいる。
撮影された場所や日付は記されておらず、ニューズウィークはこの映像について確認ができていない。
双方が激しい攻撃を展開
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、17日に放送されたCBSニュースの番組で、6月上旬に開始したロシア占領地の奪還を目指す反攻の遅れについて発言している。ゼレンスキーは、ウクライナ側が徐々に前進しているものの、双方が激しい砲撃を行っていると明らかにした。
ゼレンスキーはまた、反攻が遅れていたとしても「プーチンに手加減してはならない」と語った。
ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ局長はエコノミスト誌に対し、ウクライナの狙いはロシア国内へのドローン攻撃によってロシアの防空力を低下させ、軍事施設を無力化することだと述べている。
ロシア国内への空爆は増加しており、ロシアはウクライナを非難している。ブダノフは同誌に対し、ロシア国内のドローン攻撃は「我が国の領土を解放するための作戦を確実に促進する」と述べた。
一方、ロシア軍は先週末、ウクライナ・ハリキウ州のハリキウ、ボホドヒフ、チュフイフ、クピャンスク、イジュームを攻撃したと、地元当局が明らかにした。
クピャンスクでは17日、ロシア軍の地対空ミサイル「S300」4発によって民間インフラが攻撃された。