ロシア黒海艦隊、ウクライナ無人艇の攻撃で相次ぐ被害──「大規模反攻への地ならし」と戦争研究所
Russia's Black Sea Fleet Suffers More Problems as Video Shows Tanker Strike
ウクライナの情報当局の話としてロイターが伝えたところでは、攻撃をしかけたのはウクライナ保安庁と海軍だ。イギリスの国防関係者によれば、昨年4月13日に巡洋艦モスクワが撃沈されて以降、深刻な被害を受けたり破壊されたロシア海軍の艦艇としては、オレネゴルスキー・ゴルニャクは最大級のものだという。
セキュリティ企業S-RMの企業情報部門を率いるマーティン・デベニシュは本誌に対し、今回の攻撃はロシアの石油インフラに対する初の軍事攻撃だが、「市場を大きく揺るがす可能性は低い」と語った。
また、ロシアは受けた被害を小さく見せようとしつつ、同時に軍事作戦の継続の正当化を再び訴え始めるだろうとデベニシュは考える。
「標的の種類が目に見えて変わることはたぶんないだろう。たとえロシアが報復として、攻撃の回数や規模を一時的に増やしたとしてもだ」とデベニシュは述べた。
4日、ウクライナ海軍は、ロシア側の黒海のノボロシスクやソチなどの港周辺の6つの海域は「戦争リスク」エリアだと宣言した。将来的に攻撃の対象となりうるという警告とみられる。
前日の3日にはロシア国防省が、黒海において哨戒艇2隻に対するウクライナによるドローン攻撃を阻止したと発表した。2隻は黒海艦隊の本拠地セバストポリから約330キロ南西を航行中だったという。
ロシア軍はウクライナからの海上輸送を妨害すべく海上封鎖を新たに行おうとしている。ロシアはウクライナ南部の港湾都市オデーサを含む広い地域を攻撃、食糧関連の施設も被害に遭っている。