名前を呼び間違えられ、プーチンが何とも複雑な表情で「苦笑」...実は内心、喜んでいたとも言われる理由
Video Shows Putin's Reaction as Russia's Top Priest Calls Him by Wrong Name
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(2023年7月) Sputnik/Alexei Danichev/Pool via REUTERS
<ロシアのプーチン大統領を、キリル総主教が間違った名前で呼んでしまうハプニング。その表情の意味をめぐって様々な憶測が>
ロシア正教会のトップであるキリル総主教が、ウラジーミル・プーチン大統領の名前を「言い間違える」ハプニングがあった。これを聞いたプーチンが何とも言えない表情で苦笑いする様子もカメラに収められたが、言い間違えた名前が恐怖政治を行ったことでも知られるかつてのロシア皇帝だったことから、ネットではプーチンの内心を予想するさまざまな意見が飛び交う事態となった。
■【動画】この表情が意味するものは? 名前を間違えられたプーチンが苦笑いするシーン
7月28日、サンクトペテルブルグで開催されたプーチン主催のロシア・アフリカ首脳会議で演説したキリル総主教は、プーチンの父称(ミドルネームに相当)を間違え、「尊敬するウラジーミル・ワシリエビッチ......いや、ウラジーミル・ウラジーミロビッチ、ロシア連邦大統領」と言い直した。
この時の映像を見ると、プーチンは総主教の明らかなミスに対して苦笑いを浮かべた後、穏やかにうなずき、動揺している様子はない。ロシアでは姓を使わずに、ファーストネームと父親の名を基にした父称で相手を呼ぶことが多い。
総主教が単に言い間違えた可能性は高いが、ソーシャルメディア上では、「ワシリエビッチ」という父称を持つロシアの支配者は、16世紀のイワン4世(イワン雷帝)だけだとの指摘が相次いだ。
自らを「ロシア皇帝」と重ねるプーチン
イワン4世は、ロシアを広大な帝国に変え、シベリア進出を開始したことで知られる。また、正式なロシア軍を創設し、初の議会を設立し、モスクワの有名な聖ワシリイ大聖堂を建設した「歴史に名を遺す」皇帝だ。
一方でイワン4世は、「ノブゴロド虐殺」を主導し、少なくとも1万5000人の死者を出したという記録もある。また、27歳だった自らの後継者に激怒し、殺害したとも言われる。
プーチンは、特にウクライナ侵攻以来、絶対君主として君臨しようとしていると見られている。ロシア皇帝に関する歴史書を愛読するプーチンを、側近らは「皇帝」と呼んでいるとも言われている。昨年12月には、ウクライナとの戦争をめぐり、自らをヨーロッパに軍事侵攻したピョートル大帝になぞらえたとされる。
しかし、プーチンは、ウクライナ侵攻に対する国際社会の非難が高まる中、今回のロシア・アフリカ首脳会議への参加者が激減したことで、嘲笑の的となっている。首脳が参加した国は、前回の2019年は43カ国だったが、今回はわずか17カ国だけだった。