最新記事
ロシア

名前を呼び間違えられ、プーチンが何とも複雑な表情で「苦笑」...実は内心、喜んでいたとも言われる理由

Video Shows Putin's Reaction as Russia's Top Priest Calls Him by Wrong Name

2023年8月5日(土)11時13分
アレックス・フィリップス
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(2023年7月) Sputnik/Alexei Danichev/Pool via REUTERS

<ロシアのプーチン大統領を、キリル総主教が間違った名前で呼んでしまうハプニング。その表情の意味をめぐって様々な憶測が>

ロシア正教会のトップであるキリル総主教が、ウラジーミル・プーチン大統領の名前を「言い間違える」ハプニングがあった。これを聞いたプーチンが何とも言えない表情で苦笑いする様子もカメラに収められたが、言い間違えた名前が恐怖政治を行ったことでも知られるかつてのロシア皇帝だったことから、ネットではプーチンの内心を予想するさまざまな意見が飛び交う事態となった。

■【動画】この表情が意味するものは? 名前を間違えられたプーチンが苦笑いするシーン

 
 
 
 
 

7月28日、サンクトペテルブルグで開催されたプーチン主催のロシア・アフリカ首脳会議で演説したキリル総主教は、プーチンの父称(ミドルネームに相当)を間違え、「尊敬するウラジーミル・ワシリエビッチ......いや、ウラジーミル・ウラジーミロビッチ、ロシア連邦大統領」と言い直した。

この時の映像を見ると、プーチンは総主教の明らかなミスに対して苦笑いを浮かべた後、穏やかにうなずき、動揺している様子はない。ロシアでは姓を使わずに、ファーストネームと父親の名を基にした父称で相手を呼ぶことが多い。

総主教が単に言い間違えた可能性は高いが、ソーシャルメディア上では、「ワシリエビッチ」という父称を持つロシアの支配者は、16世紀のイワン4世(イワン雷帝)だけだとの指摘が相次いだ。

自らを「ロシア皇帝」と重ねるプーチン

イワン4世は、ロシアを広大な帝国に変え、シベリア進出を開始したことで知られる。また、正式なロシア軍を創設し、初の議会を設立し、モスクワの有名な聖ワシリイ大聖堂を建設した「歴史に名を遺す」皇帝だ。

一方でイワン4世は、「ノブゴロド虐殺」を主導し、少なくとも1万5000人の死者を出したという記録もある。また、27歳だった自らの後継者に激怒し、殺害したとも言われる。

プーチンは、特にウクライナ侵攻以来、絶対君主として君臨しようとしていると見られている。ロシア皇帝に関する歴史書を愛読するプーチンを、側近らは「皇帝」と呼んでいるとも言われている。昨年12月には、ウクライナとの戦争をめぐり、自らをヨーロッパに軍事侵攻したピョートル大帝になぞらえたとされる。

しかし、プーチンは、ウクライナ侵攻に対する国際社会の非難が高まる中、今回のロシア・アフリカ首脳会議への参加者が激減したことで、嘲笑の的となっている。首脳が参加した国は、前回の2019年は43カ国だったが、今回はわずか17カ国だけだった。


試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、9000件減の21.5万件 労

ビジネス

米エヌビディアCEO、中国市場の重要性を強調=国営

ビジネス

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨

ビジネス

ECB、6会合連続利下げ 貿易戦争で「異例の不確実
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、アメリカ国内では批判が盛り上がらないのか?
  • 4
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 7
    関税を擁護していたくせに...トランプの太鼓持ち・米…
  • 8
    金沢の「尹奉吉記念館」問題を考える
  • 9
    「体調不良で...」機内で斜め前の女性が「仕事休みま…
  • 10
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中