プーチンはアフリカに「無償武器供与も厭わない」 ──ニジェールの隣国ブルキナファソの暫定大統領
Putin Ready to Give Out Free Weapons as Niger Tensions Boil Over
ニジェールの首都ニアメーで欧米寄りの与党本部に放火したクーデター支持者たち(7月27日)REUTERS/Balima Boureima
<世界で孤立化し、アフリカに新たな橋頭堡を築きたいロシアが予想通り動いた。ニジェールと隣接し、同じく軍事クーデターで生まれたブルキナファソの軍事政権に武器を供与する動きだ>
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軍事クーデターでニジェール情勢が緊迫化するなか、隣国ブルキナファソの暫定大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がブルキナファソに武器を無償供与する用意があるとの意思を表明したと明かした。
昨年のクーデターでブルキナファソの暫定大統領に就任したイブライム・トラオレは、7月31日に親ロシア系メディア「スプートニク・アフリカ」のインタビューでロシアからの支援に言及し、イスラム過激派のテロと戦うために同国が必要とする武器に関して、プーチンは「あらゆる可能性を否定しなかった」と語った。
「何の制約もなく、(武器の)ライセンス供与を拒まず、それも納得がいく価格での供与だ。ロシアはまた、我々に無償で武器を供与する用意もあると言った」
ニジェールでは7月26日、選挙で民主的に選ばれたモハメド・バズム大統領が、自国軍兵士によって権力の座を追われ、アブドゥラハマネ・チアニが権力を掌握した。
軍によるこのクーデターは、アメリカを含む多数の国々や国連安全保障理事会から非難を受けているが、ブルキナファソと同じく隣国のマリはクーデターを支持している。
「西側の介入は宣戦布告に等しい」
アルジャジーラによると、マリの軍事政権は、ニジェールの軍事クーデターに反応してこう述べた。「ブルキナファソとマリの暫定政権は、友愛の念から連帯を表明する。(中略)自分たちの運命に全責任を負い、有史以前からある主権を全守る決意を示したニジェール国民と連帯する」
さらに、「ニジェールに対する軍事介入があるなら、それはブルキナファソとマリに対する宣戦布告に等しい」と述べたと、アルジャジーラは伝えている。
一方で西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、今回のニジェールでの軍事クーデターを非難。バズムが大統領に戻されなければ、「必要なあらゆる手段をとる用意があり、それには力の行使も含まれる可能性がある」と警告した。
ロシア大統領府は7月はじめ、トラオレとの会合ののち、以下のような声明を発表していた。「ロシアとブルキナファソの2カ国間関係は、従来から友好的なものであり続けてきた。2022年には、両国は外交関係の締結から55周年を祝った。ブルキナファソの人々が、共感と関心を持ってロシアに接していることを、我々は承知している」
さらに声明はこう続ける。「我々は、貿易および経済協力を発展させるために協力していく用意がある。両国間の貿易は、ロシアとアフリカの全体的な関係の中で見てもまだ大規模とは言えないが、今日この点について討議することになると私は確信している。成長の余地があるからだ」